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こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

日本経済

29 10月

9月消費者物価指数を振り返る

【9月消費者物価指数】
 総務省統計局が22日に9月の消費者物価指数(家計に係る財・サービスの価格)を発表。

 9月の消費者物価指数・総合は前月比+0.4%、前年同月比+0.2%。

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 詳細は総務省統計局で確認できます。

 9月の消費者物価指数(総合CPI)は前月比+0.4%、前年同月比+0.2%と12か月ぶりに前年同月を上回りました。生鮮食品が3か月ぶりに前年同月を上回ったほか生鮮食品を除く総合(コアCPI)は前年同月比+0.1%と前月(横ばい)から上げ幅を拡大しています。またエネルギーは上げ幅を拡大、生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は前年同月比▲0.5%と前月と変わりませんでした。

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 内訳をみると食料は前年同月比+0.9%と11か月ぶりに前年同月を上回りました。「生鮮食品」は前年同月比+2.2%と3か月ぶりに前年同月を上回り、「生鮮食品を除く食料」が前年同月比+0.6%と前月(+0.3%)から上げ幅を拡大しています。
 類目でみると「肉類」が前年同月比+1.4%と上げ幅を拡大したほか「生鮮野菜」が前年同月比+5.5%と3か月ぶりに前年同月を上回っています。

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 一方、エネルギーは前年同月比+7.4%と前月(+5.5%)から上げ幅を拡大しました。
 類目でみると「ガソリン」が前年同月比+16.5%と前月(+16.9%)から上げ幅を縮小したのに対し「電気代」は前年同月比+4.1%と前月(+0.9%)から上げ幅を拡大しています。

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 財・サービス別にみると「財」は前年同月比+1.8%と前月(+0.5%)から上げ幅を拡大しました。しかし食料やガソリンをふくむ「非耐久消費財」以外の動きを見えると「耐久消費財」が前年同月比+0.2%と9か月ぶりに前年同月を上回ったのに対し、「半耐久消費財」は前年同月比▲0.3%と2年4か月ぶりに前年同月を下回っています。
 類目でみると「教養娯楽用耐久財」が前年同月比▲0.9%と前月(▲3.4%)から下げ幅を縮小、「衣料」が前年同月比+0.6%と前月(+1.7%)から上げ幅を縮小しています。

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 一方、「サービス」は前年同月比▲1.4%と前月(▲1.3%)から下げ幅を拡大しました。
 部門別にみると「公共サービス」が前年同月比+0.9%と前月(+0.8%)から上げ幅を拡大、「一般サービス」は前年同月比▲2.2%と前月(▲2.1%)から下げ幅を拡大しています。

 内訳をみると一般サービスでは「通信・教養娯楽」が前年同月比▲13.0%と前月(▲12.0%)から下げ幅をしています。
 類目でみると「宿泊料」が前年同月比+43.1%と前月(+46.6%)から上げ幅を縮小しています。

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 今後ですが食品は需要の強さから輸入割合が大きい品目を中心に小幅の伸びを維持、エネルギーは原油価格の動向をみるとガソリンはほぼ同じ水準の伸びを維持、電気代は上げ幅を拡大しそうなため全体では上げ幅を拡大しそうです。
 一方、ほかの財は需要がさほど強いものには見えないものの原材料の価格上昇により緩やかに上げ幅を拡大、サービスについては「Gotoトラベル」の影響が出ている宿泊料や旅行料金が上げ幅を拡大する動きが続きそうで緩やかに下げ幅を縮小しそうです。
 全体では食料やエネルギー価格の押上げの影響が大きくプラス圏での推移となりです。ただ新型コロナウイルス感染症による政府の対策により大きくブレることは忘れないように。

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16 10月

8月機械受注統計を振り返る

【8月機械受注統計】
 内閣府が13日に8月の機械受注統計(製造業者に対する設備機械の受注額合計)を発表。

 8月の機械受注総額(以下、季節調整値)は前月比▲7.8%の2兆6502億円。
 船舶・電力を除く民需は前月比▲2.4%の8393億円。

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 内閣府は基調判断を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」と下方修正しました。

 詳細は内閣府で確認できます。

 8月の機械受注は受注総額が前月比▲7.8%と2か月ぶりに減少しました。民需、外需がともに減少、設備投資の先行指標である船舶・電力を除く民需は前月比▲2.4%と2か月ぶりに減少、市場予想(+1.7%)を下回っています。

 内需から官公需を除いた民需は前月比▲7.2%と2か月ぶりに減少しました。製造業が前月比▲13.4%の3732憶円と4か月ぶりに減少したのに対し、非製造業は前月比▲1.2%の5531億円と2か月連続で減少しましたがブレが大きい船舶・電力を除いた非製造業は前月比+7.1%の4562憶円と2か月ぶりに増加しています。

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 製造業を細かくみると「情報通信機械器具」(+138億円)が急増、一方「電気機械器具」(▲159億円)や「はん用・生産用機械器具」(▲125億円)、「造船」(▲83億円)などが減少しています。

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 非製造業を細かくみると「卸売業・小売業」(+293億円)や「運輸業・郵便業」(+190億円)、「通信業」(+168億円)などが増加、「電力業」(▲105憶円)や「金融・保険業」(▲76憶円)などが減少しています。

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 需要者別にみると民需と官公需を合わせた内需は前月比▲4.0%の1兆2402億円と2か月連続で減少、外需は前月比▲14.7%の1兆3563億円と2か月ぶりに減少しました。

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 今後ですが製造業は情報通信機械器具が急増したのに対しウェイトが大きい電気機械器具やはん用・生産用機械器具が急減しました。ただ電気機械器具は前月の急増の反動が考えられ、はん用・生産用機械器具は増加基調が維持されているように見え、輸送機器が低調なものの全体では小幅の増加が続きそうです。
 非製造業は卸売業・小売業が先行き見通しの持ち直し、通信業がインフラ関連の投資を増加させたようです。9月は緊急事態宣言が解除される見方が広がり始めたことから設備投資は小幅ながら増加するように見えます。
 なお外需は主要貿易相手国で経済活動の持ち直しているものの物流の混乱は少なくても年内いっぱいは続くことから大きくぶれる状態が続きそうです。

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3 10月

8月商業動態統計速報を振り返る

【8月商業動態統計速報
 経済産業省が30日に8月の商業動態統計(商業を営む事業者の商品・サービス販売額)・速報を発表。

 8月の商業販売額は前年同月比+6.8%の43兆6200億円。
 うち小売業は前年同月比▲3.2%の12兆180億円。

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 詳細は経済産業省で確認できます。

 8月の商業販売額は前年同月比+6.8%と前月(+9.7%)から上げ幅を縮小しました。小売業販売額が前年同月比▲3.2%と6か月ぶりに前年同月を下回り、市場予想(▲1.0%)も下回っています。なお卸売業販売額も前年同月比▲0.7%と3か月ぶりに前年同月を下回っています。

 小売業販売額の内訳をみると「燃料」(+12.9%)が高い伸びを維持したほか「自動車」(+1.5%)、「医薬品・化粧品」(+0.6%)が前年同月を上回ったのに対し「織物・衣服・身の回り品」(▲12.1%)や「機械器具」(▲2.5%)が下げ幅を拡大したほか「各種商品」(▲9.0%)や「無店舗」(▲4.8%)などが前年同月を下回っています。

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 季節調整値でみると商業販売額は前月比▲0.6%の94.6(2015年=100)と2か月連続で低下、うち小売業販売額は前月比▲4.1%の98.8と3か月ぶりに低下しています。

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 一方、小売店の販売額をみると「ドラッグストア」が前年同月比+0.5%と前年同月を右腕割ったのに対し、「百貨店」が前年同月比▲13.9%、「スーパー」が前年同月比▲2.3%、「コンビニエンスストア」が前年同月比▲1.2%、「家電大型専門店」が前年同月比▲18.3%、「ホームセンター」が前年同月比▲14.0%と前年同月を下回っています。

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 今後ですが新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛による来客数減少により各種商品は低調、前年同時期にテレワークに関する需要が強かった反動もあり機械器具など耐久消費財を中心に前年同月を下回る状態が続きそうで9月も前年同月を下回る動きとなりそうです。

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 10月以降は緊急事態宣言は解除されることから来客数は幾分持ち直しそうですが、前年同月の裏によりマイナス圏での動きが続くように見えます。

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3 10月

8月鉱工業指数速報を振り返る

【8月鉱工業指数速報】
 経済産業省が30日に8月の鉱工業指数(事業所の生産・出荷・在庫状況)速報を発表。

 8月の鉱工業生産(以下、季節調整値)は前月比▲3.2%の95.0(2015年=100)。

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 経済産業省は基調判断を「生産は足踏みをしている」と下方修正しました。

 詳細は経済産業省で確認できます。

 8月の鉱工業生産は前月比▲3.2%の95.0(2015年=100)と2か月連続で低下しました。半導体供給不足が続いており自動車の生産が落ち込んだほか、幅広い業種で減産となったため市場予想(▲0.5%)を上回っています。
 なお出荷は前月比▲3.8%の92.7と2か月連続で低下、在庫は前月比▲0.3%の94.7と2か月連続で低下しています。

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 生産を業種別にみるとセメントなどを生産する「窯業・土石製品工業」(+2.2%)や合成ゴムなどを生産する「無機・有機化学工業」(+8.9%)、ジェット燃料油を生産する「石油・石炭製品工業」(+3.9%)の3業種が上昇しました。
 一方、普通乗用車などを生産する「自動車工業」(▲15.2%)やリチウムイオン蓄電池などを生産する「電気・情報通信機械工業」(▲10.6%)、ショベル系掘削機械などを生産する「生産用機械工業」(▲3.2%)など12業種が低下しています。

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 出荷については財別にみると主に企業向けの「投資財」が前月比▲3.9%と3か月ぶりに低下、主に消費者向けの「消費財」が前月比▲5.7%と3か月ぶりに低下、主に製造業者向けの「生産財」が前月比▲3.1%と2か月連続で低下しました。
 投資財の内訳をみると「資本財(輸送機器を除く)」(▲3.0%)が2か月連続で低下、「建設財」(+0.3%)は2か月ぶりに上昇しました。消費財の内訳をみると「耐久消費財」(▲14.0%)が3か月ぶりに低下、「非耐久消費財」(▲2.0%)が2か月連続で低下しています。

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 在庫を財別にみると「投資財」が前月比▲2.0%が2か月連続で低下、「消費財」も前月比▲3.2%と2か月連続で低下、「生産財」が前月比+1.4%と2か月連続で上昇しました。
 投資財の内訳をみると「資本財(輸送機器を除く)」(▲1.2%)が2か月ぶりに低下、「建設財」(▲0.3%)が3か月連続で低下しました。消費財の内訳をみると「耐久消費財」(▲8.3%)が2か月連続で低下、「非耐久消費財」(▲0.7%)は2か月連続で低下しています。

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 今後ですが半導体の供給不足に加え東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限の影響で中間部材の供給不足も重なり自動車が大幅減産、自動車がすそ野の広い産業であることから幅広い業種で減産となっており、1,2か月は好転は期待しにくい状況です。
 一応、ワクチン接種の拡大に伴い国内、海外とも経済活動は再び拡大すると考えられ緩やかに持ち直していくと考えられますが、果たして生産拠点はどのくらい維持されているのか…。

 生産予測調査をみると9月が前月比+0.2%、10月が+6.8%と上昇する予測となりました。9月の上昇に寄与する業種は「化学工業」、「生産用機械工業」、「電気・情報通信機械工業」…生産用機械工業が比較的下振れしやすい傾向なので上昇に転するかどうかは怪しい状況です。

 なお経済産業省が計画のバイアスを補正した9月の先行き試算値は前月比▲1.3%と3カ月連続で低下すると考えられています。

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26 9月

8月チェーンストア販売統計を振り返る

【8月チェーンストア販売統計】
 日本チェーンストア協会が24日に8月のチェーンストア販売統計(日本チェーンストア協会に加盟している企業の販売額合計)を発表。

 8月のチェーンストア総販売額は前年同月比+0.1%(店舗数調整後)の1兆1255億円。

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 詳細は日本チェーンストア協会で確認できます。

 8月のチェーンストア販売額は前年同月比▲0.1%と6か月ぶりに前年同月を下回りました。緊急事態宣言による外出自粛により内食需要が底堅く食料品が前年同月を上回っているのに対し、支出の抑制から衣料品や住関品は前年同月を下回っています。

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 販売額の7割を占める食料品は前年同月比+2.4%と前月(+4.0%)から上げ幅を縮小しましたが、4か月連続で前年同月を上回りました。
 内訳をみると単価が低下、供給不足があった「農産品」が前年同月比▲4.5%と2か月連続で前年同月を下回ったのに対しオリンピックの影響で「惣菜」が前年同月比+8.6%と11カ月連続で前年同月を上回り、「畜産品」も前年同月比+2.3%と6か月ぶりに前年同月を上回っています。

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 続いて1割を占める「衣料品」は前年同月比▲18.8%と2か月ぶりに前年同月を下回りました。
 内訳をみると外出自粛や月後半の悪天候の影響から「紳士衣料」が前年同月比▲15.9%、「婦人衣料」が前年同月比▲16.9%と2か月ぶりに前年同月を下回っています。

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 最後に2割を占める住関品は前年同月比▲3.3%と6か月ぶりに前年同月を下回りました。
 内訳をみると行楽用品を含む「日用雑貨品」が前年同月比▲2.2%と6か月ぶりに前年同月を下回ったほか前年の裏がでやすい除菌シートやマスクを含む「医薬・化粧品」が前年同月比▲7.3%と4カ月連続で前年同月を下回っています。

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 今後ですが食料品は新型コロナワクチン接種の拡大から新規感染者数減少に伴い内食需要はやや後退、小幅の伸びにとどまりそうです。
 続いて衣料品は前年同月の状況やビジネスや外出需要は小幅ながら持ち直すことを考えると下げ幅は縮小しそうです。
 住関品は在宅時間が小幅縮小しそうなものの前年同月の動きから再び前年同月は上回りそうです。tだドラックストアやホームセンターなど競合が多い状況が続いており伸びは限定的なものとなりそうです。

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