【アメリカ10月鉱工業生産】
 米連邦準備理事会(FRB)が17日に10月の鉱工業生産(事業所の生産状況)を発表。

 10月の鉱工業生産指数(以下、季節調整値)は前月比+1.1%の103.2(2012年=100)。前月は▲0.4%。

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 詳細は米連邦準備理事会(FRB)で確認できます。

 10月の鉱工業生産は前月比+1.1%と2か月ぶりに増加しました。主力の製造業で金属製品や自動車が振るわなかったのに対し防衛・輸送機器などが増加、市場予想と一致しています。

 産業別にみると石油採掘を含む鉱業が需要の弱さもあり前月比▲0.6%の114.2と2か月ぶりに減少したのに対し鉱工業生産の7割以上を占める製造業は前月比+1.0%の99.9と6か月連続で増加、電力・ガスなど公益事業も前月比+3.9%の103.3と3か月ぶりに増加しています。

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 財別にみると消費財は前月比+0.8%と2か月ぶりに増加しました。「耐久消費財」(+1.0%)が3か月ぶりに増加、「非耐久消費財」(+0.7%)も2か月ぶりに増加しています。
 耐久消費財では「自動車・トラック」(+0.8%)が3か月ぶりに増加、非耐久消費財では「食品・たばこ」(+0.7%)や「エネルギー」(+1.4%)が増加しています。

 資本財も前月比+0.9%と2か月ぶりに増加しました。「石油・ガス生産設備他」(+4.4%)や「防衛・宇宙開発」(+1.4%)が増加、情報処理機器を含む「企業設備財」(+0.6%)が2か月ぶりに増加しています。

 他の財をみると原材料(+1.0%)は2か月ぶりに増加、非工業供給品(+2.0%)も2か月ぶりに増加しました。

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 製造業の生産を業種別にみると耐久財(+0.9%)が6か月連続で増加、非耐久財(+1.2%)は2か月ぶりに増加しました。耐久財では「防衛・輸送機器」(+2.3%)や「非金属」(+3.0%)や「電気機器」(+1.9%)などが増加、非耐久財では「化学」(+1.4%)や「プラスティック・ゴム」(+1.6%)、「石油・石炭製品」(+1.5%)などが増加しています。

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 最後に設備稼働率をみると鉱工業全体では前月から+0.8ptの72.8%となりました。鉱業が前月から+▲0.3ptの77.9%、製造業が前月から+0.7ptの71.7%、公益事業が前月から+2.5ptの72.7%と上昇しています。

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 今後ですが主力の製造業をみると海外経済の持ち直しの動きの鈍さもあり主力である自動車・同部品や電算機・電子部品など加工業種の動きが鈍く、産業全体の設備稼働率も70%台前半とウイルス感染拡大前の水準を下回る状況が続いていることから持ち直しの動きはさらに鈍りそうです。むしろ新型コロナウイルスの感染状況を考えると再び減産となるかも。

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