【中国10月鉱工業生産】
 中国国家統計局が16日に10月の鉱工業生産を発表。

 10月の鉱工業生産は前年同期比+6.9%。9月は+6.9%

2020111608

 詳細は中国国家統計局で確認できます。 

 10月の鉱工業生産は前年同期比+6.9%と9月と一致しました。海外経済の持ち直しにより鉱業が伸び、市場予想(+6.5%)を上回っています。
 なお生産活動の目安となる発電量は前年同期比+4.6%と9月(+5.3%)から鈍化しています。

 産業別にみると「鉱業」(+3.5%)が9月から加速したのに対し「製造業」(+7.5%)がほぼ横ばい、電気・ガスを含む「公益事業」(+4.0%)が9月から鈍化しています。

2020111609

 製造業を細かくみると「自動車」(+14.7%)や「電気機器」(+17.6%)、「一般機械」(+13.1%)、「金属製品」(+14.1%)など加工業種が高い伸びを維持しています。

 主要産品の生産量をみると建設投資の目安となる「鉄鋼製品」(+14.2%)や「セメント」(+9.6%)は高い伸びを維持、「自動車」(+11.1%)も高い伸びを維持しています。

2020111610


【中国1-10月固定資産投資】
 中国国家統計局が16日に1-10月の固定資産投資を発表。

 1-10月の固定資産投資の累計額は前年同期比+1.8%。1-9月は前年同期比+0.8%。

2020111611

 詳細は中国国家統計局で確認できます。 

 1-10月の固定資産投資は前年同期比+1.8%と1-9月期(+0.8%)から加速しました。国有企業を中心に伸び、建設投資が伸び、市場予想(+1.6%)を上回っています。
 なお建設投資の目安となる不動産投資は前年同期比+6.3%と1-9月(+5.6%)から加速が続いています。

 産業別にみると製造業を含む「第二次産業」(▲2.1%)が1-9月期から下げ幅を縮小、サービス業を含む「第三次産業」(+3.0%)は加速しています。
 業種別にみると「製造業」(▲5.3%)は1-9月期から下げ幅を縮小しているものの機械など加工業種を中心に前年同期を大きく下回る状態が続いているのに対し「電気・熱・ガス生産供給業」(+18.2%)が高い伸びを維持しています。

2020111612

 部門別にみると国有企業(+4.9%)が1-9月期から加速、民間企業(▲0.7%)も下げ幅を縮小していますが依然として前年同期を下回っています。

2020111613


【中国10月小売売上高】
 中国国家統計局が16日に10月の小売売上高を発表。

 10月の小売売上高は前年同期比+4.3%。9月は前年同期比+3.3%。

2020111614

 詳細は中国国家統計局で確認できます。
 
 10月の小売売上高は前年同期比+4.3%と9月(+3.3%)から加速しました。補助金効果か自動車が前年同期を大きく上回るほか宝飾品や日用品、自動車が高い伸びを維持、市場予想(+3.3%)を上回っています。
 飲食についても前年同期比+0.8%と今年初めて前年同期を上回っています。

2020111615

 品目別にみると「石油製品」(▲11.0%)が前年同期を下回っているのに対し「化粧品」(+18.3%)や「宝飾品」(+16.7%)、「日用品」(+11.7%)、「自動車」(+12.0%)などが前年同期を大きく上回っています。

2020111616

 今後ですが鉱工業生産は加工業種を中心に持ち直しの動きが続いているものの貿易政策や製品の生産量、海外経済動向の怪しさを考えると持続的な加速は考えにくく、しばらくは今の水準の伸びにとどまりそうです。

 一方、固定資産投資は建設投資が政府主導で前年同期を上回るものの機器設備投資は国内および海外経済動向の不透明感が強い状態が続いていることから伸び悩みが続きそうで全体の投資はプラス圏は維持するものの伸びは低水準となりそうです。

 最後に小売売上高は自動車が販売喚起策で大きく伸びていることを考えると割り引いて考える必要がありますが他の品目の動きも良くなったものが多く、消費は若干強さが出てきたように見えます。このまま新型コロナウイルス感染が収まっているようなら加速が続きそうですが…。

人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング