【アメリカ7月ISM非製造業景況指数】
 米供給管理協会(ISM)が5日に7月のISM非製造業景況指数(非製造業購買担当者の景況感に対する調査結果)を発表。

 7月のISM非製造業景況指数は前月から+1.0ptの58.1。前月は+11.7pt。

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 詳細は米供給管理協会で確認できます。

 7月の非製造業景況指数は前月から+1.0ptの58.1と3か月連続で上昇、景況判断の分かれ目である50を上回りました。都市封鎖措置が解除され企業は事業、または営業活動が再開、市場予想(55.0)を上回っています。

 主要構成指数をみると企業活動指数(67.2)は前月から+1.2ptと3か月連続で上昇しました。拡大を報告した業種は運輸業・倉庫業、小売業、教育など14業種、縮小を報告したのは鉱業など1業種となっています。

 先行指標である新規受注指数(67.7)は前月から+6.1ptと3か月連続で上昇しました。増加を報告した業種は小売業や医療・社会扶助、公務など12業種、減少を報告した業種は鉱業など2業種となっています。

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 雇用指数(42.1)は前月から▲1.0ptと3か月ぶりに低下しました。増加を報告した業種は教養娯楽業や農林漁業、小売業など5業種、減少を報告した業種は不動産業・物品賃貸業や教育、事業支援サービス業など13業種となっています。

 入荷遅延指数(55.2)は前月から▲2.3ptと3か月連続で低下しました。遅延を報告した業種は教養娯楽業や医療・社会扶助、鉱業など12業種となっています。

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 まとめると都市封鎖措置解除に伴い企業は事業活動を活発化、受注数は回復が続いており供給網の混乱も小さくなっているようです。一方で企業は業績悪化また先行き懸念から求人活動は控えられ就業者は増えにくくなっています

 サブ構成指数をみると在庫指数(52.0)は前月から▲8.7ptと4か月ぶりに低下しました。増加を報告した業種は教育や医療・社会扶助、公務など8業種となっています。

 また仕入価格指数(57.6)は前月から▲4.8ptと4か月ぶりに低下しました。上昇を報告した業種は宿泊業・飲食サービス業や教養娯楽業、医療・社会扶助など13業種となっています。
 価格が上昇した品目は清掃用品、燃料、手袋などの衛生製品など、供給が不足している品目は消毒液や医療用品そして建設労働者など。

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 一方、新規輸出指数(49.3)は前月から▲9.6ptと3か月ぶりに低下しました。増加を報告した業種は不動産業・物品賃貸業や卸売業、農林漁業など7業種となっています。

 輸入指数(46.3)も前月から▲6.6ptと2か月ぶりに低下しました。増加を報告した業種は卸売業や医療・社会扶助など3業種となっています。

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 今後ですが企業間の取引は持ち直しが続いていることから楽観的な見方が広がっているものの都市封鎖措置や感染拡大の影響を受けて業績が悪化していること、また南部や西部を中心にウイルス感染者が増加しているなどから先行き懸念はくすぶり続けそうです。
 雇用にはかなり消極的となっており当面は受注数が増加、事業活動が活発になっても就業者は増やす行動に移るには時間がかかりそうで、ウイルス感染拡大前に戻るにはかなりの時間を要しそうです。

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