【アメリカ4月鉱工業生産】
 米連邦準備理事会(FRB)が15日に4月の鉱工業生産(事業所の生産状況)を発表。

 4月の鉱工業生産指数(以下、季節調整値)は前月比▲0.5%の109.2(2012年=100)。前月は+0.2%。

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 詳細は米連邦準備理事会(FRB)で確認できます。

 4月の鉱工業生産は前月比▲0.2%と2ヶ月ぶりに減少しました。鉱業が増加したのに対し主力の製造業が減少となり市場予想(横ばい)を下回っています。

 産業別に数字をみると鉱業は前月比+1.6%と4ヶ月ぶりに増加、7割以上を占める製造業は前月比▲0.5%、公益事業は前月比▲2.6%とともに2ヶ月ぶりに減少となっています。

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 財別にみると消費財は前月比▲1.2%と3ヶ月ぶりに減少しました。「耐久消費財」(▲0.8%)が2ヶ月連続で減少、「非耐久消費財」(▲1.3%)も2ヶ月ぶりに減少しています。
 耐久消費財では「自動車・同部品」(▲1.8%)が3ヶ月ぶりに減少したほか「家具・家事用品」(▲1.4%)が4ヶ月連続で減少、非耐久消費財では「エネルギー」(▲3.6%)が2ヶ月ぶりに減少しています。

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 資本財は前月比▲1.5%と2ヶ月ぶりに減少しました。「防衛・宇宙開発」(+1.0%)は増加しましたが「企業設備財」(▲2.1%)や「石油・ガス生産設備他」(▲1.2%)が2ヶ月ぶりに減少しています。企業設備財では「輸送設備」(▲4.0%)が3ヶ月ぶりに減少しています。

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 他の財をみると原材料(+0.2%)は4ヶ月ぶりに増加しました。「非耐久財材料」(+0.9%)や「エネルギー材料」(+0.7%)が増加しています。
 また非工業供給品(▲0.6%)は2ヶ月ぶりに減少しました。建設供給品(▲0.6%)が2ヶ月ぶりに減少しています。

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 製造業の生産を業種別にみると耐久財(▲0.9%)は2ヶ月ぶりに減少、非耐久財(▲0.1%)も2ヶ月ぶりに減少しました。耐久財では「自動車・同部品」(▲2.6%)や「機械」(▲2.6%)が減少しています。

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 設備稼働率をみると鉱工業全体では前月から▲0.6ptの77.9%となりました。鉱業(91.4%)は前月から+1.1ptと4ヶ月ぶりに上昇したものの公益事業(76.2%)が前月から▲2.9ptと4ヶ月ぶりに低下、製造業(75.7%)も前月から▲0.5ptと2ヶ月ぶりに低下しています。
 なお製造業の中では「自動車・同部品」(75.2%)が2ヶ月連続で低下しています。

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 今後ですが海外経済の鈍化や米中間の貿易摩擦などで製造業は生産に慎重となる姿勢が広がってきているようにに見え、製造業や川下の卸売業や小売業の在庫状況などを考えると生産が再び拡大に向かうのは時間がかかりそうです。

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