毎度のことですが国内総生産は無視します。

【中国6月鉱工業生産】
 中国国家統計局が16日に6月の鉱工業生産を発表。

 6月の鉱工業生産は前年同期比6.0%増、5月は6.8%増。

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 詳細は中国国家統計局で確認できます。 

 6月の鉱工業生産は前年同期比6.0%増と5月(6.8%増)から鈍化しました。主力である製造業の生産の伸びが鈍化しています。
 一方、生産活動の目安となる発電量は前年同期比6.7%増と5月(9.8%増)から鈍化しています。

 産業別にみると「製造業」(+6.6%→+6.0%)が前月から鈍化したのをはじめ「鉱業」(+3.0%→+2.7%)や「公益事業」(+12.2%→+9.2%)も前月から鈍化しています。
 製造業を細かくみると「自動車」(+13.2%→+14.0%)は高い伸びを維持しているものの「化学」(+4.3%→+2.9%)や「金属製品」(+2.5%→+1.4%)は前月から鈍化しています。

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 主要産品の生産量をみると「自動車」(+9.5%→+6.0%)や「セメント」(+1.9%→0.0%)が前月から鈍化したのに対し「エチレン」(▲4.5%→+7.6%)が2ヶ月ぶりに前年同月でプラスに転じています。

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【中国1-6月固定資産投資】
 中国国家統計局が16日に1-6月の固定資産投資を発表。

 1-6月期の固定資産投資の累計額は前年同期比6.0%増、1-5月期は6.1%増。

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 詳細は中国国家統計局で確認できます。 

 1-6月期の固定資産投資は前年同期比6.0%増と1-5月期(6.1%増)から鈍化しました。国有企業の設備投資の抑制が続いたものの民間企業は再び伸びが加速しています。
 一方、建設投資の目安となる不動産投資は前年同期比9.7%増と1-5月期(10.2%増)から鈍化しています。

 産業別にみると製造業を含む「第二次産業」(+2.5%→+3.8%)が加速したのに対しサービス業を含む「第三次産業」(+7.7%→+6.8%)は鈍化しました。
 業種別にみると一般機械製造業や情報通信機械製造業などが加速したのに対し水質管理や公共施設は鈍化しています。

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 一方、部門別にみると国有企業(+4.1%→+3.0%)が前月に続き鈍化したのに対し民間企業(+8.1%→+8.4%)は加速しています。

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【中国6月小売売上高】
 中国国家統計局が16日に6月の小売売上高を発表。

 6月の小売売上高は前年同期比9.0%増、5月は8.5%増。

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 詳細は中国国家統計局で確認できます。
 
 6月の小売売上高は前年同期比9.0%増と5月(8.5%増)から加速しました。食品や通信機器などが伸びたのに対し自動車が前年同時期を下回る状況が続いています。

 品目別にみると「石油製品」(+14.0%→+16.5%)をはじめ「通信機器」(+12.2%→+16.8%)、「食品」(+7.3%→+13.0%)などが高い伸びとなったのに対し「自動車」(▲1.0%→▲7.0%)は下げ幅を拡大しています。

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 今後ですが鉱工業生産は自動車など一部業種が堅調なのに対し他の業種は伸びの鈍化が目立ち、アメリカの追加関税措置の影響が出てきたかもしれません。生産鈍化がアメリカの政策によるところが大きいとすればさらに鈍化すると考えたほうがよさそうです

 固定資産投資は国有企業が抑制の動きを鮮明にしたのに対し民間企業は一定の底堅さがあることから伸びは鈍化するものの緩やかな動きとなりそうです。ただ中国を取り巻く環境や不動産投資の伸びも鈍化していることから下ブレはしやすそうに見えます。

 最後に小売売上高は食品や石油製品、通信機器など品目により高い伸びを維持したものの自動車が前年を大きく下回り消費意欲の強さについては疑問があります。急速に落ち込むことはなさそうですが当面は売上の伸び拡大は期待しづらい状況となりそうです。

 と色々書いたものの中国の統計の精度は…と、いつもの文言を。

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