【4月毎月勤労統計調査確報】
 厚生労働省が22日に4月の毎月勤労統計調査(賃金、労働時間及び雇用の実態調査)確報を発表。
 
 4月の現金給与総額は前年同月比0.6%増の27万6663円。
 きまって(定期)支給する給与は前年同月比0.9%増の26万6570円。
 所定内給与は前年同月比0.9%増の24万5791円。

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 詳細は厚生労働省で確認できます。

 4月の現金給与総額は前年同月比0.6%増と前月(2.0%増)から鈍化したものの9ヶ月連続で前年同月を上回りました。賞与を含む特別給与が前年を下回ったのに対し所定内給与や所定外給与は前年同月を上回っています。

 名目賃金をみると所定内給与(+1.2%→+0.9%)や所定外給与(+2.2%→+1.8%)が前月から鈍化したため定期給与(+1.2%→+0.9%)も前月から鈍化しました。特別給与(+13.7%→▲8.3%)は前年同月を9ヶ月ぶりに下回っています。

 形態別にみると一般労働者(+1.3%→+0.6%)は前月から鈍化しました。所定内給与(+1.3%→+1.0%)は前月から鈍化したため定期給与(+1.3%→+1.0%)も前月から鈍化、特別給与(+13.6%→▲8.4%)は前年同月を下回っています。
 パートタイム労働者(+1.6%→+0.9%)も前月から鈍化しました。所定内給与(+1.6%→+0.9%)は前月から鈍化したため定期給与(+1.4%→+0.9%)も前月から鈍化しています。

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 労働時間をみると総実労働時間(▲1.3%→▲1.2%)は前月から下げ幅を縮小しました。所定内労働時間(▲1.5%→▲1.3%)が前月から下げ幅を縮小、所定外労働時間(▲0.9%→0.0%)も前月から下げ幅を縮小しています。

 形態別にみると一般労働者(▲1.4%→▲1.4%)は前月と一致しました。所定内労働時間(▲1.5%→▲1.5%)が前月と一致、所定外労働時間(▲0.7%→0.0%)は前月から下げ幅を縮小しています。
 パートタイム労働者(▲0.4%→▲1.2%)は前月から下げ幅を拡大しました。所定内労働時間(▲0.6%→▲1.2%)が前月から下げ幅を拡大、所定外労働時間(+3.8%→▲3.6%)は再び前年同月を下回っています。

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 常用雇用をみると労働者総数(+1.9%→+1.6%)は前月から鈍化しました。一般労働者(+1.6%→+1.2%)が前月から鈍化、パートタイム労働者(+3.0%→+3.0%)は前月と一致しています。

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 最後に名目賃金から物価変動の影響を取り除いた実質賃金をみると現金給与総額は前年同月比0.2%減と2ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。ブレが小さい定期給与は前年同月比0.1%増と19ヶ月ぶりに前年同月を上回っています。

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 今後ですが雇用は企業を取り巻く環境から一般労働者の加速を期待しにくいのに対しパートタイム労働者同程度の伸びを維持、労働時間についてはパートタイム労働者において賃金上昇とは裏腹に短縮傾向が続きやすく、賃金上昇率は引き続き小幅の伸びにとどまりそうです。

 実質賃金は物価上昇率が徐々に上げ幅を縮小しそうなため現金給与総額でみた場合、賞与の伸びもあり前年同月を上回りやすいのに対しベースとなる定期給与は企業側の雇用に対する姿勢を考えると伸びは抑えられやすそうです。

 税金や社会保険料など負担の動向を考えると消費は収入増により一時的に伸びることはあっても先行きへの懸念から持続的には伸びにくい状況となりそうです。

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