satoki_segawa

こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

2020年08月

30 8月

今週の経済指標(8月30日-9月5日)

【主な経済指標:注目度5段階】
■30日(日)
なし

■31日(月)
韓国:鉱工業生産
韓国:サービス業生産高
韓国:小売売上高
日本:商業動態統計-速報
日本:鉱工業指数-速報
中国:製造業PMI
中国:非製造業PMI
日本:住宅着工統計
日本:消費動向調査
スイス:小売売上高
スペイン:消費者物価指数-速報
トルコ:国内総生産
トルコ:貿易収支
イタリア:国内総生産-改訂
ポーランド:国内総生産
イタリア:消費者物価指数-速報
ドイツ:消費者物価指数-速報
インド:国内総生産
アメリカ:ダラス連銀製造業指数

■1日(火)
オーストラリア:製造業PMI
韓国:国内総生産-改訂
日本:労働力調査
日本:一般職業紹介状況
日本:法人企業統計
韓国:貿易収支
日本:製造業PMI-改訂
韓国:製造業PMI-改訂
オーストラリア:建築許可件数
オーストラリア:経常収支
中国:Caixin製造業PMI
インドネシア:消費者物価指数
オーストラリア:政策金利
インド:製造業PMI
ロシア:製造業PMI
スペイン:製造業PMI
スイス:製造業PMI
イタリア:製造業PMI
フランス:製造業PMI-改訂
ドイツ:製造業PMI-改訂
ドイツ:失業率
イタリア:失業率
イギリス:消費者信用残高
イギリス:製造業PMI-改訂
メキシコ:企業景況感指数
ブラジル:国内総生産
カナダ:製造業PMI
アメリカ:製造業PMI
アメリカ:ISM製造業景況感指数
アメリカ:建設支出
ブラジル:貿易収支

■2日(水)
韓国:消費者物価指数
日本:マネタリーベース
オーストラリア:国内総生産
ドイツ:小売売上高
イギリス:ネーションワイド住宅価格
アメリカ:製造業新規受注

■3日(木)
オーストラリア:サービス業PMI
日本:サービス業PMI-改訂
オーストラリア:貿易統計
中国:Caixinサービス業PMI
スイス:消費者物価指数
トルコ:消費者物価指数
スペイン:サービス業PMI
イタリア:サービス業PMI
フランス:サービス業PMMI-改訂
ドイツ:サービス業PMMI-改訂
イギリス:サービス業PMMI-改訂
ブラジル:鉱工業生産
カナダ:貿易統計
アメリカ:貿易統計
ブラジル:サービスPMI
アメリカ:サービスPMI
アメリカ:ISM非製造業景況感指数

■4日(金)
フィリピン:消費者物価指数
韓国:経常収支
オーストラリア:小売売上高
フィリピン:失業率
ドイツ:製造業新規受注
ドイツ:建設業PMI
イギリス:建設業PMI
カナダ:雇用統計
アメリカ:雇用統計
ロシア:消費者物価指数
カナダ:Ivey PMI

■5日(土)
なし
30 8月

アメリカ7月個人所得・支出を振り返る

【アメリカ7月個人所得・支出】
 米商務省経済分析局が28日に7月の個人所得・支出(個人の収入・所得や財・サービス支出の金額計)を発表。

 7月の名目個人所得(実収入)は前月比+0.4%、前年同月比+8.2%。
 名目個人支出は前月比+1.9%、前年同月比▲2.8%。

2020082801

 詳細は米商務省経済分析局で確認できます。

 7月の個人所得(実収入)は前月比+0.4%(+705憶ドル)と3か月ぶりに増加、個人支出は前月比+5.6%(+2676憶ドル)と3か月連続で増加しました。所得は新型コロナウイルス感染拡大に伴い支給されていた給付金の減少幅を賃金の上昇幅が上回り、支出は都市封鎖措置が解除され財、サービスともに増加が続いています。
 一方、物価を示すPCE価格指数は前月比+0.3%と3か月連続で上昇、ブレが大きい食料・エネルギーを除くコアPCE価格指数も前月比+0.3%も3か月連続で上昇しています。

 所得をみると所得から税金などを除いた「可処分所得」(+0.2%、+399憶ドル)は3か月ぶりに増加しました。
 前年同月比でみると所得は+8.2%と前月(+7.9%)から加速、可処分所得は+9.5%と前月と一致しています。

2020082802

 所得を前月比でさらに細かくみると失業保険給付の減少に伴い「移転収入」(▲1.7%、▲840億ドル)が2か月連続で減少、「利子収入」(▲0.4%、▲115憶ドル)が7か月連続で減少したのに対し「賃金・給与」(+1.4%、+1255憶ドル)や「資産収入」(+1.4%、+220憶ドル)が3か月連続で増加しています。

2020082803

 一方、支出をみると「耐久財」(+3.1%、+521憶ドル)は3か月連続で増加、「非耐久財」(+1.4%、+443憶ドル)も3か月ぶりに増加、「サービス」(+1.9%、+1712憶ドル)も3か月連続で増加しました。

2020082804

 耐久財の内訳をみると「自動車・同部品」(+4.5%、+251憶ドル)、非耐久財の内訳をみると「ガソリン・他の燃料」(+8.4%、+194億ドル)などが増加しています。

2020082805

 一方、サービスの内訳をみると「医療・介護」(+2.5%、+580憶ドル)や「宿泊・飲食」(+5.6%、+422憶ドル)、「教養娯楽」(+10.1%、+346憶ドル)が増加しています。

2020082806

 なお所得、支出ともに増加したものの支出の増加幅が大きく貯蓄率(17.8%)は前月(19.2%)から低下しました。

2020082807

 一方、PCEデフレータ(価格指数)は前月比+0.3%と3か月連続で上昇、前年同月比+1.0%と前月(+0.8%)から加速しました。食品デフレータは前月比▲0.9%と11か月ぶりに低下、前年同月比+4.3%と前月(+5.2%)から鈍化、エネルギーデフレーターは前月比+2.5%と2か月連続で上昇、前年同月比は▲11.4%と前月(▲12.8%)から下げ幅を縮小しています。
 食品とエネルギーを除くPCEコアデフレータは前月比+0.3%と3か月連続で上昇、前年同月比+1.2%と前月(+1.1%)から加速しています。

2020082808

 なお支出を実質でみると前月比では+1.6%と3か月連続で増加、前年同月比では▲3.8%と前月(▲5.1%)から下げ幅を縮小しました。

 今後ですが個人所得は再雇用で賃金収入が増加する一方で給付金は失業給付の積み増し措置が7月で失効、減額されたことから減少、8月は小幅減少となりそうです。ただ失業給付が増額された地域がありますので増加する可能性も。
 一方、個人支出は財が自動車を中心に伸びたのに対しサービスは医療・介護や宿泊・飲食が伸びたものの前月に比べて小幅となりました。財が新型コロナウイルス感染拡大前の水準を上回ったもののサービスは大きく下回っていること、雇用情勢が不安定ななかで失業給付の積み増し措置の行方など収入面で懸念が広がりやすく不要なモノ・サービスの支出は7月以上に抑えられやすくなりそうです。

 物価上昇率は食品が需要の減少などから伸びが縮小、エネルギーが原油相場の動向により横ばい、他の財・サービスは7月について需要が強まったものの8月は落ち着きそうで今の水準の伸びを維持しそうです。

人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
30 8月

アメリカ第2四半期国内総生産改定値を振り返る

【アメリカ第2四半期国内総生産改定値】
 米商務省が27日に第2四半期の国内総生産(国内で産出された付加価値額)・改定値を発表。

 第2四半期の国内総生産・改定値は前期比▲9.1%、年率換算▲31.7%。

2020082706

 詳細はアメリカ合衆国商務省経済分析局で確認できます。

 第2四半期の国内総生産・改定値は前期比▲9.1%、年率換算▲31.7%と速報値(前期比▲9.5%、年率換算▲32.9%)から上方修正されました。個人消費や設備投資、輸出が上方修正されましたがいずれも小幅にとどまっており、過去最大級の落ち込みであることに変わりはありません。

2020082707

 需要項目別にみると消費では「個人消費支出」(▲9.9%)は速報値(▲10.1%)から上方修正となりました。「耐久消費財」(▲0.4%→▲0.3%)、「非耐久消費財」(▲4.2%→▲4.0%)、「サービス」(▲13.3%→▲13.1%)といずれも上方修正されています。

2020082708

 投資では「固定資産投資」(▲8.2%)は速報値(▲8.5%)から上昇修正となりました。「知的財産投資」(▲1.9%→▲2.0%)がわずかに下方修正されたのに対し「構築物投資」(▲10.2%→▲9.6%)、「機器設備投資」(▲11.2%→▲10.5%)、「住宅投資」(▲11.5%→▲11.2%)は上方修正されています。
 なお在庫投資は▲2864億ドルと速報値(▲3155億ドル)から上方修正されています。

2020082709

 外需をみると「輸出」(▲22.1%)は速報値(▲22.6%)から上方修正となりました。財輸出(▲24.6%→▲23.8%)が上方修正されています。
 一方、「輸入」(▲17.6%)は速報値(▲17.2%)から下方修正となりました。財輸入(▲15.4%→▲15.7%)が下方修正されています。
 純輸出は▲7609億ドルと速報値(▲7807億ドル)から上方修正されています。

2020082710

 なお政府消費支出(+0.7%)は速報値と一致しています(年率換算ではわずかに上方修正)。

 今後ですが個人消費は都市封鎖措置解除に伴い消費支出が増加したものの雇用情勢の悪化や南部や中部を中心にウイルス感染者が増加していることで景況感は悪化しており増加には転じるものの果たしてどこまで持ち直せるか。
 一方、投資も工場操業、店舗営業再開に伴い経済活動は上向きましたが企業の業績悪化、海外経済の悪化を考えると積極的に投資するようには見えず小幅の増加にとどまりそうです。
 最後に外需ですが輸出は増加するものの貿易摩擦は続いておりこちらも期待するほど持ち直すことができるのか。

 以上から第3四半期は増加には転じそうですが第2四半期の落ち込みをどの位相殺できるのかというと…という評価は変わらずと。

2020082711


人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
30 8月

スイス第2四半期国内総生産を振り返る

【スイス第2四半期国内総生産】
 スイス経済省経済事務局が27日に第2四半期の国内総生産(国内で産出された付加価値額)を発表。

 第2四半期の国内総生産は前期比▲8.2%、前年同期比▲9.3%。前期は前期比▲2.5%、前年同期比▲0.7%。

2020082701

 詳細はスイス経済省経済事務局で確認できます。

 第2四半期の国内総生産は前期比▲8.2%と2四半期連続でマイナス成長となりました。新型コロナウイルス感染拡大および都市封鎖措置を受けて民間消費や投資が減少、海外経済の悪化を受けて輸出も減少しましたが輸入も減少しており純輸出は小幅のマイナス寄与となっています。

2020082705

 供給別にみると輸出が振るわず「製造業」(▲9.0%)が2四半期連続で減少したほか渡航制限や都市封鎖措置により「宿泊業・飲食サービス業」(▲54.2%)や「運輸業・情報通信業」(▲21.7%)が大きく落ちこみました。「建設業」(▲7.1%)や「事業支援」(▲8.6%)、「医療・福祉」(▲8.6%)なども振るわずほとんどの産業で減少となっています。

 需要別にみると消費では民間消費支出(▲8.6%)が2四半期連続で減少しました。一方、政府消費支出(+0.2%)は7四半期連続で増加しています。

2020082503

 投資では総投資(▲12.8%)が2四半期ぶりに減少、在庫変動を除く総固定資本形成(▲8.8%)は2四半期連続で減少しました。
 資産別でみると住宅を含む建設投資(▲4.0%)が6四半期ぶりに減少、機器設備・知的財産等投資(▲11.7%)も2四半期連続で減少しました。

2020082703

 外需をみると輸出(▲5.7%)は3四半期連続で減少しました。財(▲2.0%)は3カ月連続で減少したものの小幅にとどまりましたがサービス(▲15.9%)が落ち込んでいます。
 一方、輸入(▲5.6%)も3四半期連続で減少しました。財(+1.2%)が3四半期ぶりに増加したのに対しサービス(▲22.2%)は2割以上減少しています。
 なお輸出の減少幅が輸入の減少幅より大きいため純輸出(寄与度▲0.6%)はマイナス寄与となっています。

2020082704

 今後ですが消費は操業短縮制度により失業率は抑えられており先行き不透明感が遠のくようであれば持ち直しを期待できそうなのですが足元でウイルス感染者が増加しているのが気になるところで、実際は小幅の持ち直しにとどまりそうです。
 投資は事業や営業活動再開、輸出の増加により企業の景況感は持ち直しそうですが他国と同様に、投資計画は先送り、中止となる動きは広がりやすく増加するかどうか。
 一方、外需ですが輸出は化学製品や需要が強い医薬品が中心ということを考えると比較的大きく持ち直すことが期待できます。
 以上から第3四半期は増加に転じますが第2四半期の落ち込みを相殺するのは相当厳しいように見えます。

人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング
29 8月

アメリカ7月耐久財受注を振り返る

【アメリカ7月耐久財受注】
 米商務省が26日に7月の耐久財受注を発表。

 7月の耐久財受注額(以下、季節調整値)は前月比+11.2%の2306億7200万ドル、前月は+7.7%。
 航空機を除く非国防資本財受注額は前月比+1.9%の660億900万ドル。

2020082601

 詳細は米国勢調査局で確認できます。

 7月の耐久財受注額は前月比+11.2%の2306億7200万ドルと3か月連続で増加しました。都市封鎖措置の解除に伴い工場操業再開の動きが広がり、特に輸送機器の需要が増加、市場予想(+4.8%)を上回っています。
 一方、耐久財出荷額は前月比+7.3%の2440憶1300万ドルと3か月連続で増加しました。

2020082602

 うち輸送機器の受注額は前月比+20.0%の747憶4400万ドルとなりましたが昨年の平均額(843億ドル)は依然下回っています。内訳をみると「自動車・同部品」が前月比+27.5%の642億2600万ドルと3か月連続で増加したのに対し「非国防航空機」は▲58憶100万ドルと2か月連続でマイナスとなっています。

2020082605

 ブレが大きい輸送機器を除く耐久財受注額(コア耐久財)は前月比+2.4%の1559億2800万ドルと3か月連続で増加しました。内訳をみると「機械」(+2.0%)や「金属加工製品」(+2.0%)などが3か月連続で増加しています。
 一方、輸送機器を除く耐久財出荷額は前月比+2.5%の1608憶5100万ドルと3か月連続で増加しました。

2020082603

 また資本財の受注額は前月比+13.6%の720億6700万ドルと2か月ぶりに増加しました。うち機器設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注額(コア資本財)は前月比+1.9%の660億9900万ドルと3か月連続で増加しています。
 一方、航空機を除く非国防資本財出荷額も前月比+2.4%の659憶600万ドルと3か月連続で増加しました。

2020082604

 今後ですが7月は自動車の需要が急増した模様で、自動車の生産増は幅広い業種に影響が波及することを考えると製造業全体での生産増加は当面、続きそうです。ただ7月の受注額は依然としてウイルス感染拡大前の水準を下回っており8月は伸びが鈍化すると考えられますので、元の水準に戻れるかどうか。
 いずれにしましてもウイルス感染拡大前の水準を安定して上回るには中国などの貿易摩擦解消やウイルスの感染拡大が収まる必要がありそうですが、目途が立ちそうにないことから8月以降は一進一退になるように…。 

人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
記事検索