satoki_segawa

こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

2019年11月

30 11月

アメリカ10月個人所得・支出を振り返る

【アメリカ10月個人所得・支出】
 米商務省経済分析局が27日に10月の個人所得・支出(個人の収入・所得や財・サービス支出の金額計)を発表。

 10月の名目個人所得(実収入)は前月比+0.0%、前月は+0.3%。
 名目個人支出は前月比+0.3%、前月は+0.2%。

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 詳細は米商務省経済分析局で確認できます。

 10月の個人所得(実収入)は前月比+0.0%と前月(+0.3%)から鈍化したのに対し個人支出は前月比+0.3%と前月(+0.2%)から加速、市場予想とも一致しました。所得は賃金収入が伸びたものの利子収入が減少、消費は耐久財が減少したものの非耐久財が伸びています。
 物価を示すPCE価格指数は前月比+0.2%と前月から加速、ブレが大きい食料・エネルギーを除くコアPCE価格指数も前月比+0.1%と前月から加速、市場予想と一致しています。

 所得は前月比+0.0%と前月(+0.3%)から鈍化しました。所得から税金などを除いた「可処分所得」(▲0.1%)は9ヶ月ぶりに減少しています。
 なお前年同月比でみると実収入は+4.4%と前月(+4.7%)から鈍化、可処分所得も+4.1%と前月(+4.6%)から鈍化しましたが、4%台の高い伸びを維持しています。

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 前月比で細かくみると「賃金・給与」(+0.4%)が前月(+0.1%)から加速したものの金利収入を含む「利子収入」(▲1.0%)が減少したほか農業収入を含む「資産収入」(▲1.0%)も7ヶ月ぶりに減少しています。

 一方、支出は前月比+0.3%と前月(+0.2%)から加速、8ヶ月連続で増加しました。食料・エネルギーを除くコアの部分は前月比+0.1%と前月(+0.2%)から鈍化しています。
 なお前年同月比でみると支出は+3.7%と前月(+4.0%)から鈍化、食料・エネルギーを除くコアの部分も前月比+4.0%と前月(+4.4%)から鈍化しています。

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 前月比で細かくみると「財」(+0.2%)は前月(+0.1%)から加速、「サービス」(+0.3%)は前月と一致しました。
 財の内訳をみると自動車・同部品(▲2.2%)を含む「耐久財」(▲0.7%)は6ヶ月ぶりに減少したのに対し、ガソリン(+3.5%)を含む「非耐久財」(+0.6%)が3ヶ月ぶりに増加しています。サービスの内訳を見ると「住居」(+0.6%)や「医療」(+0.4%)が伸びています。

 消費支出の伸びが所得の伸びを上回ったため貯蓄率は7.8%と前月(8.1%)から低下しました。

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 一方、PCEデフレータ(価格指数)は前月比+0.2%と3ヶ月ぶりに上昇、前年同月比は+1.3%と前月と一致しました。食品デフレータは前月比0.2%と5ヶ月ぶりに上昇、前年同月比は+1.1%と前月から加速、エネルギーデフレーターは前月比+2.6%と3ヶ月ぶりに上昇、前年同月比は▲4.1%と前月から下げ幅を縮小しました。
 食品とエネルギーを除くPCEコアデフレータは前月比+0.1%と2ヶ月ぶりに上昇、前年同月比は+1.6%と前月(+1.7%)から鈍化しています。

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 なお支出を実質でみると前月比では+0.1%と前月から鈍化、前年同月比では+2.3%と前月(+2.6%)から鈍化しています。

 今後ですが収入は今回の伸び悩みは農業収入や利子収入など一時的要因もあることから一時的なものと考えてよさそうです。ただ賃金収入の伸びは前月の反動によるところがあり今後の伸びは注意する必要がありそうに見えます。雇用統計を見る限りはまだ底堅いように見えますが。
 一方、支出は一定の伸びを維持しているものの収入面の動きに対して鈍く、貯蓄率が高い水準なのに支出が今一つ伸びておらず数値が示すほど消費者は景況は良く思っていないように見えます(前月、前々月と同じ…)。
 物価上昇率についてはエネルギー価格が底入れしつつありますが需要が物価を押し上げるほど強まる感じには見えずしばらくはFRBの目標を下回りそうです。

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30 11月

アメリカ11月CB消費者信頼感指数を振り返る

【アメリカ11月CB消費者信頼感指数】
 米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)が26日に11月の消費者信頼感指数(消費者の態度や期待の調査結果)を発表。

 11月の消費者信頼感指数は前月から▲0.6ptの125.5(1985年=100)。前月は▲0.2pt。

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 詳細はコンファレンス・ボードで確認できます。

 11月の消費者信頼感指数は前月から▲0.6ptの125.5と4ヶ月連続で低下しました。下げ幅は小幅でしたが市場予想(127.0)を下回っており弱い結果となっています。なお3ヶ月移動平均でみるとほぼ横ばいで推移しています。

 足元の景況を示す現況指数は前月から▲6.6ptの166.9と2ヶ月ぶりに低下、半年先の景況予想を示す期待指数は前月から+3.4ptの97.9と4ヶ月ぶりに上昇しています。

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 調査内容をみると業況では現状は「良い」(39.7%→40.2%)との回答は2ヶ月連続で増加、「悪い」(11.0%→13.8%)との回答は2ヶ月ぶりに増加しました。
 先行きでは「改善する」(18.7%→17.2%)との回答は4ヶ月連続で減少、「悪化する」(11.5%→12.1%)との回答は2ヶ月ぶりに増加しています。

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 雇用では現状は「十分」(47.7%→44.8%)との回答は2ヶ月ぶりに減少、「困難」(11.6%→12.7%)との回答も2ヶ月連続で増加しました。
 先行きでは「増加する」(16.9%→15.7%)との回答は3ヶ月連続で減少、「減少する」(18.0%→13.2%)との回答も4ヶ月ぶりに減少しています。

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 最後に所得をみると「増加する」(21.4%→21.8%)との回答は2ヶ月連続で増加、「減少する」(6.9%→6.2%)との回答は3ヶ月ぶりに減少しています。

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 今後ですが指数は低下しましたが現況の低調によるところが大きく先行きが若干持ち直したため小幅にとどまっており、水準が依然として高いことを考えると悲観的な見方が広がったというよりは強気な見方が後退したと見たほうがよさそうです。このため急速に消費が減少するということはなさそうですが増加も期待しにくいように見えます。
 個別でみると雇用について楽観的な見方が後退しており、雇用に対する見方がさらに厳しくなったり収入への見通しが悪化するようだと長い目で見て消費は抑制されやすくなるようになりますが…。

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30 11月

アメリカ10月新築住宅販売戸数を振り返る

【アメリカ10月新築住宅販売戸数】
 米商務省が26日に10月の新築住宅販売戸数(企業が新築住宅を販売した戸数)を発表。

 10月の新築住宅販売戸数(季節調整値)は前月比▲0.7%の年率換算73万3000戸。前月は73万8000戸に修正(速報70万1000戸)。

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 詳細は米商務省で確認できます。

 10月の新築住宅販売戸数は前月比▲0.7%の年率換算73万3000戸と3ヶ月ぶりに減少しました。地域別では南部や北東部が減少したのに対し西部や中西部は増加、市場予想(70万9000戸)は上回っています。なお9月の結果が大きく上方修正されており見た目より強い結果となっています。

 販売戸数を地域別にみると「南部」(+6.3%、▲1.5万戸)や「北東部」(▲2.8%、▲0.6万戸)っが減少したのに対し「西部」(▲0.2%、+1.3万戸)が2ヶ月連続で増加、「西部」(▲3.8%、+0.3万戸)が2ヶ月ぶりに増加しています。

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 在庫戸数は前月比+0.3%の32.2万戸と9ヶ月ぶりに増加しました。在庫戸数が小幅ですが増加となったため販売戸数に対する在庫割合を示す供給月数は前月から+0.1ヶ月の5.3ヶ月、適正水準とされる6ヶ月を3ヶ月連続で下回っています。

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 販売価格は中央値が前年同月比▲3.5%の31万6700ドルと2ヶ月連続で前年同月を下回りました。3ヶ月移動平均でみても前年同月を3%程度下回る状況が続いています。

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 今後ですが10月の動きを見ると9月の結果ほど悲観的はではないですが堅調な雇用情勢にもかかわらず伸び悩んでいるように見え、販売価格の中央値も前年同月を下回り続けていることから需要が若干鈍っているようにみえ、当面横ばい圏での動きになりそうです。
 在庫は9ヶ月ぶりに増加したものの小幅にとどまり、販売価格帯では20万ドル未満の販売戸数が低調、低価格帯の供給不足が伸び悩んでいる一因のように見えますが…。

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29 11月

ドイツ11月IFO企業景況感指数を振り返る

【ドイツ11月IFO企業景況感指数】
 ドイツのIFO経済研究所が25日に11月の景況動向調査(9000社を対象に景況に関する調査)を発表。

 11月の企業景況感指数(業況)は前月から+0.3ptの95.0(2015年=100)。

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 詳細はIFO経済研究所で確認できます。

 11月のIFO企業景況感指数は前月から+0.3ptの95.0となりました。製造業の景況悪化が続いていますが他の業種はひとまず悪化が止まり、先行きは多くの業種で楽観的な見方が広がりつつあるようです。なお市場予想とは一致しています。

 構成指数をみると足元の景況を示す現況指数は前月から+0.1ptの97.9と2ヶ月ぶりに上昇、半年程度先の見方を示す期待指数は前月から+0.5ptの92.1と2ヶ月連続で上昇しています。

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 現況指数を産業別にみると「製造業」(▲1.4pt)が18ヶ月連続で低下したほか「建設業」(▲0.9pt)も7ヶ月連続で低下したのに対し「商業」(+2.2pt)が5ヶ月ぶりに上昇、「サービス業」(+0.3pt)も小幅ですが上昇しています。

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 期待指数を産業別にみると「建設業」(▲0.3pt)が2ヶ月連続で低下したのに対し「製造業」(+0.3pt)が小幅ですが上向いたほか「サービス業」(+1.0pt)や「商業」(+4.9pt)も上昇しています。

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 今後ですが製造業は貿易摩擦や海外経済減速を受けて生産活動の抑制が続いていますが先行きについては楽観的な見通しが広がりつつあります。また建設業は事業活動が抑制する動きは続いており見通しも悪化しています。
 一方でサービス業や商業は事業活動の減速はひとまず止まった模様、今が谷と見ている見方が広がっており、特に小売はクリスマス商戦に向かい期待が広がっています。
 内需はやや持ち直し気味ですが外需は依然として厳しく、大崩れは回避されそうですが低調な動きはもうしばらく続きそうです。

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28 11月

今週の経済指標(11月24日-30日)

【主な経済指標:注目度5段階】
■24日(日)
なし

■25日(月)
シンガポール:消費者物価指数
日本:景気動向指数-改定
ドイツ:IFO企業景況感調査
メキシコ:国内総生産
カナダ:卸売売上高
アメリカ:ダラス連銀製造業指数

■26日(火)
ニュージーランド:小売売上高
日本:企業向けサービス価格指数
シンガポール:鉱工業生産
ドイツ:GfK消費者信頼感指数
香港:貿易収支
アメリカ:卸売在庫
アメリカ:FHFA住宅価格指数
アメリカ:S&P・ケースシラー住宅価格指数
アメリカ:新築住宅販売戸数
アメリカ:リッチモンド連銀製造業指数
アメリカ:CB消費者信頼感指数

■27日(水)
韓国:消費者信頼感指数
ニュージーランド:貿易収支
ドイツ:輸入物価指数
ノルウェー:失業率
フランス:消費者信頼感指数
イタリア:企業景況感指数
イタリア:消費者信頼感指数
ポーランド:失業率
メキシコ:貿易収支
メキシコ:失業率
アメリカ:国内総生産-改定
アメリカ:耐久財受注
アメリカ:シカゴPMI
アメリカ:個人所得・支出
アメリカ:原油在庫量

■28日(木)
韓国:企業景況感指数
日本:商業動態統計-速報
ニュージーランド:企業信頼感指数
オーストラリア:民間新規設備投資
オランダ:企業景況感指数
スイス:国内総生産
イギリス:ネーションワイド住宅価格指数
スペイン:消費者物価指数-速報
スペイン:企業景況感指数
ドイツ:消費者物価指数-速報
カナダ:経常収支

■29日(金)
ニュージーランド:住宅建築許可件数
韓国:鉱工業生産
日本:労働力調査
日本:一般職業紹介状況
日本:鉱工業指数-速報
オーストラリア:HIA住宅販売
イギリス:GfK消費者信頼感指数
オーストラリア:民間信用残高
韓国:政策金利
日本:住宅着工戸数
日本:消費動向調査
ドイツ:小売売上高
トルコ:貿易収支
フランス:消費者物価指数
フランス:生産者物価指数
フランス:国内総生産-改定
台湾:国内総生産-改定
スウェーデン:国内総生産-改定
ドイツ:失業率
イタリア:失業率
ポーランド:国内総生産-改定
イギリス:消費者信用残高
イギリス:マネーサプライ
イタリア:消費者物価指数-速報
イタリア:国内総生産-改定
ブラジル:失業率
インド:国内総生産
カナダ:国内総生産
カナダ:鉱工業製品価格

■30日(土)
中国:製造業PMI
中国:非製造業PMI
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