satoki_segawa

こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

2019年07月

28 7月

ドイツ7月IFO企業景況感指数を振り返る

【ドイツ7月IFO企業景況感指数】
 ドイツのIFO経済研究所が24日に7月の景況動向調査(9000社を対象に景況に関する調査)を発表。

 7月の企業景況感指数(業況)は前月から▲1.8ptの95.7(2015年=100)。

2019072511

 詳細はIFO経済研究所で確認できます。

 7月のIFO企業景況感指数は前月から▲1.8ptの95.7と4ヶ月連続で低下しました。製造業や商業の景況悪化が続いていたほか建設業の以外の先行き見通しが悪化しています。市場予想(97.1)を下回り、企業全体の事業活動は低調になりつつあります。

 構成指数をみると足元の景況を示す現況指数は前月から▲1.7ptの99.4と4ヶ月連続で低下、半年程度先の見方を示す期待指数も前月から▲1.8ptの92.2と2ヶ月連続で低下となっています。

2019072512

 現況指数を産業別にみると「製造業」(▲8.3pt)や「商業」(▲5.4pt)が大きく低下したほか「サービス業」(▲1.4pt)や「建設業」(▲1.8pt)も低下しています。

2019072513

 期待指数を産業別にみると「建設業」(+2.0pt)が上向いたのに対し「製造業」(▲3.3pt)や「サービス業」(▲3.6pt)が前月に続き低下したほか「商業」(▲7.5pt)が大きく低下しています。

2019072514

 今後ですが製造業は貿易摩擦や海外経済減速を受けて生産活動の抑制が続いており状況が改善するめどは見えておらずもう一段低調な動きとなりそうです。他の業種では建設業が堅調なのに対しサービス業や商業については製造業に近い業種ほど低調、雇用にも影響が出てきている模様で、先行き懸念も強まり続けていることから事業活動は抑制されそうです。
 このようななかEUの中央銀行であるECBに対し大がかりな金融緩和政策を迫る動きが強まりそうですが…さてどうなることか。

人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
28 7月

6月企業向けサービス価格指数を振り返る

【6月企業向けサービス価格指数】
 日本銀行が25日に6月の企業向けサービス価格指数(企業間で取引されるサービスの価格)を発表。
 
 6月の企業向けサービス価格指数(SPPI)は前月比▲0.1%、前年同月比+0.7%、前月は+0.9%。

2019072507

 詳細は日本銀行で確認できます。

 6月の企業向けサービス価格指数は前年同月比+0.7%と前月(+0.9%)から鈍化しました。広告や運輸・郵便が鈍化したほか諸サービスも鈍化しています。前月比では▲0.1%と3ヶ月連続で低下していおりサービス価格の鈍化は止まっていません。

2019072508

 類目別に前月比でみると「広告」(+1.1%)が3ヶ月ぶりに上昇したのに対し「不動産」(+0.6%)が上昇したのに対し「諸サービス」(▲0.2%)が2ヶ月連続で低下、旅客運送を含む「運輸・郵便」(▲0.3%)が3ヶ月連続で低下しています。

2019072509

 前年同月比では土木建築サービスや宿泊サービスを含む「諸サービス」(+1.3%→+1.1%)が鈍化したほか外航貨物輸送を含む「運輸・郵便」(+1.1%→+0.8%)や新聞広告を含む「広告」(+1.9%→+1.0%)なども鈍化しています。

2019072510

 個人的に注目している「諸サービス」は上記のように鈍化しました。内訳をみると「土木建築サービス」(+2.3%→+1.3%)や「宿泊サービス」(+3.8%→+1.2%)などが鈍化しています。

 今後ですが貿易摩擦や原油価格の影響で運輸・郵便は伸び悩み、労働需要は比較的強いものの人件費の引き上げには慎重な姿勢が強まっており諸サービスも鈍化しやすそうです。物価全体としてはもう少し鈍化して0%半ばでの推移となりそうです。

人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
27 7月

韓国第2四半期国内総生産速報値を振り返る

【韓国第2四半期国内総生産速報値】
 韓国中央銀行が25日に第2四半期の国内総生産(国内で産出された付加価値額)速報値を発表。
 
 第2四半期の国内総生産・速報値は前期比+1.1%、前年同期比+2.1%。

2019072501

 詳細は韓国中央銀行で確認できます。

 第2四半期の国内総生産・速報値は前期比+1.1%と2四半期ぶりに増加しました。政府による消費支出や設備投資、輸出や輸入が増加、市場予想(+1.0%)を上回っています。

 供給側をみると「製造業」(+1.8%)が2四半期ぶりに増加したほか「電気・ガス・水道」(+8.3%)や「建設業」(+1.4%)も2四半期ぶりに増加しました。一方「サービス業」(+0.6%)は前期(+0.8%)から鈍化しています。
 サービス業を細かくみると「卸売・小売業、飲食・宿泊業」(+1.0%)や「運輸業・倉庫業」(+1.8%)が2四半期ぶりに増加したのに対し「情報通信業」(▲2.1%)が2四半期ぶりに減少しています。

2019072502

 需要側をみると消費支出では「民間消費支出」(+0.7%)は前期(+0.1%)から加速、「政府消費支出」(+2.5%)も前期(+0.4%)から加速しました。

2019072504

 投資では「総資本形成」(+1.7%)が2四半期ぶりに増加、在庫を引いた「総固定資本形成」(+1.3%)も2四半期ぶりに増加しました。
 内訳を見ると「知的財産投資」(▲0.3%)が4四半期ぶりに減少したのに対し「建設投資」(+1.4%)や「機器設備投資」(+2.4%)が2四半期ぶりに増加しています。

 公共・民間別にみると「民間投資」(▲1.9%)は5四半期連続で減少、「公共投資」(+20.2%)が2四半期ぶりに増加しています。なお「在庫」(寄与度+0.1pt)は3四半期連続でプラス寄与となっています。

2019072505

 外需では「輸出」(+2.3%)が3四半期ぶりに増加、「輸入」(+3.0%)も2四半期ぶりに増加しました。輸出はサービス(+13.0%)、輸入は財(+3.0%)が伸び、純輸出(寄与度▲0.1pt)は輸入の増加が大きくマイナス寄与となっています。

2019072506

 今後ですが消費はひとまず民間消費の伸びが持ち直したものの厳しい雇用情勢や家計債務状況を考えると再び減速しやすいように見えます。一方、投資は2四半期ぶりに増加したものの民間部門に限ると5四半期連続で減少と公共投資によるところが大きく持続性に疑問があります。内需はしばらく明確な拡大を期待できないとの認識は変わりません。
 外需は米中間の貿易摩擦、海外経済の需要鈍化もあり輸出は増加したものの財による部分は小幅の伸び(+0.8%)となっており厳しい状況に変化はなく、主要貿易相手国である中国そして日本との関係や海外経済の状況を考えるとこちらも当面は明確な増加は期待できません。
 第2四半期は政府支出の増加でプラス成長となりましたが第3四半期はゼロ成長もしくは再びマイナス成長になる可能性がありそうです。かといって政府が何か明確な突破口を見いだせるかというと…。

2019072503


人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
27 7月

アメリカ6月新築住宅販売戸数を振り返る

【アメリカ6月新築住宅販売戸数】
 米商務省が24日に6月の新築住宅販売戸数(企業が新築住宅を販売した戸数)を発表。

 6月の新築住宅販売戸数(季節調整値)は前月比+7.0%の年率換算64万6000戸。前月は60万4000戸に修正(速報62万6000戸)。

2019072401

 詳細は米商務省で確認できます。

 6月の新築住宅販売戸数は前月比+7.0%の年率換算64万6000戸と3ヶ月ぶりに増加しました。中西部が減少したのに対し西部が反動増となりましたが、市場予想(66万戸)を下回っています。また過去3ヶ月は下方修正されており見た目ほど強い結果ではありません。

 販売戸数を地域別にみると「中西部」(▲2.0万戸、5.6万戸)が2ヶ月ぶりに減少したのに対し「西部」(+6.2万戸、18.5万戸)が3ヶ月ぶりに増加しています。

2019072403

 在庫戸数は前月比+0.6%の33.8万戸と2ヶ月連続で増加しました。販売戸数が増加したため販売戸数に対する在庫割合を示す供給月数は前月から▲0.4ヶ月の6.3ヶ月、適正水準とされる6ヶ月を3ヶ月連続で上回っています。

2019072402

 一方、販売価格は中央値は前年同月比0.0%の31万400ドルとなりました。3ヶ月移動平均では前年同月を下回る状況が続いています。

2019072404

 今後ですが住宅ローン金利は低下したものの販売価格が下がっていないことから販売戸数はかなり緩やかな増加となりそうです。実際、価格帯を見ると高価格帯の販売戸数の動きが良いのに対し低価格帯の販売戸数は増加しておらず、低価格帯が供給不足になっているように見えて、購入希望者を取り巻く環境を考えると当面は変化しないように見えます。

2019072405


人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
27 7月

アメリカ6月中古住宅販売戸数を振り返る

【アメリカ6月中古住宅販売戸数】
 全米リアルター協会(NAR)が23日に6月の中古住宅販売戸数(企業が中古住宅を販売した戸数)を発表。

 6月の中古住宅販売戸数(季節調整済年率換算値)は前月比▲1.7%の527万戸。

2019072301

 詳細は全米リアルター協会で確認できます。

 6月の中古住宅販売戸数は前月比▲1.7%の年率換算527万戸と3ヶ月ぶりに減少しました。種類別では一戸建て住宅、集合住宅がともに減少、地区別では北東部や中西部が増加したのに対し南部や西部が減少、市場予想(533万戸)を下回っています。

 販売戸数を種類別でみると一戸建て住宅は前月比▲1.5%と2ヶ月ぶりに減少、集合住宅も前月比▲3.3%と2ヶ月連続で減少しました。前年同月比でみると基調となる一戸建ての動きを▲1.7%と10ヶ月連続で前年同月を下回り、集合住宅も▲6.5%と11ヶ月連続で前年同月を下回っています。

2019072303

 地域別にみると「中西部」(+1.6%)や「北東部」(+1.5%)が増加したのに対し「南部」(▲3.4%)や「西部」(▲3.5%)が3ヶ月ぶりに減少しています。前年同月比でみると「南部」(▲0.4%)や「北東部」(▲4.2%)が2ヶ月ぶりに前年同月を下回ったほか「西部」(▲5.2%)が下げ幅を拡大しています。

 一方、在庫戸数は前月比+1.0%の193万戸と6ヶ月連続で増加、前年同月比では0.0%と前月(+2.1%)から鈍化しました。種類別にみると一戸建て住宅が前月比+1.2%と6ヶ月連続で増加したのに対し集合住宅は前月比▲0.9%と5ヶ月ぶりに減少しています。

 供給月数は販売戸数の減少に伴い前月から+0.1ヶ月の4.4ヶ月となりましたが住宅在庫の適正水準である6ヶ月前後には遠く及ばない状況が続いています。種類別にみると一戸建て住宅は前月から+0.1ヶ月の4.4ヶ月、集合住宅は前月から+0.1ヶ月の4.6ヶ月となっています。

2019072302

 販売価格(中央値)は前年同月比+4.3%の28万5700ドルと前月(+4.9%)から鈍化しました。種類別にみると一戸建て住宅(+4.5%)は前月(+4.9%)から鈍化、集合住宅(+2.8%)も前月(+5.2%)から鈍化しています。

2019072304

 今後ですが雇用が堅調なことから住宅需要は一定の強さを保っていますが、住宅を手放す動きが弱い状態のなか、用地や労働力不足などもあり供給不足の解消には時間がかかりそうです。住宅販売価格は需要の強さもあり上昇しそうですが購入希望者の手に届かなくもなりやすく、販売戸数は緩やかに増加にとどまりそうです。

人気ブログランキングに参加しています。
参考になったと思われた方はクリックしていただけると幸いです。
人気ブログランキング 
記事検索