satoki_segawa

こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

2017年08月

31 8月

7月家計調査を振り返る

【7月家計調査】
 総務省統計局が29日に7月の家計調査(家計の収支状況)を発表。

 7月の二人以上の世帯の実質消費支出は前年同月比0.2%減の27万9197円、前月は2.3%増。
 実質消費支出(除く住居等)は前年同月比0.5%増の24万4323円、前月は0.1%増。

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 詳細は総務省統計局で確認できます。

 7月の消費支出(以下、実質)は前年同月比0.2%減と2ヶ月ぶりにマイナスとなりました。住居等の支出がマイナスに転じるなどで市場予想(0.7%増)より悪い結果となっています。ただ支出のブレが大きい住居等(自動車等購入費や贈与金、仕送り金を含む)を除いた消費支出は前年同月比0.5%増と2ヶ月連続でプラスとなっています。

 内訳をみると「交通・通信」(+9.1%)が3ヶ月連続でプラス、「被服及び履物」(+6.3%)が3ヶ月ぶりにプラスとなったのに対し「食料」(▲1.1%)が12ヶ月連続でマイナスとなったほか「教養娯楽」(▲2.7%)が3ヶ月連続でマイナス、「教育」(▲10.7%)や「住居」(▲4.6%)が2ヶ月ぶりにマイナスとなっています。

  品目をみると「諸雑費」や「自動車関連費」、「通信費」、「家庭用耐久財」などがプラスだったのに対し「交際費」や「設備修繕・維持」、「保健医療」、「補習教育」などがマイナスとなっています。

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 季節調整値でみると消費支出は前月比1.9%減と4ヶ月ぶりに減少、ブレが大きい住居等を除いた消費支出も前月比0.3%減と2ヶ月ぶりに減少しました。

 内訳をみると「家具・家事用品」(+10.5%)や「被服及び履物」(+15.5%)などが増加したのに対し「住居」(▲4.6%)や「保健医療」(▲7.0%)、「教養娯楽」(▲1.2%)などが減少しています。

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 消費支出を日数、物価、世帯人数、世帯主年齢による変動の影響を除いた消費水準指数をみると消費支出は前月比1.1%減と2ヶ月ぶりに減少、ブレが大きい住居等を除いた消費支出は前月比1.2%増と2ヶ月ぶりに増加しています。

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 まとめると消費支出は多くの品目で前月から減少したことから低調だったと判断できます。ただ設備修繕・費用のブレが大きいことを考えると見た目ほどは悪くなかったようにも見えます。消費支出の動きを追える消費水準指数の動きをみる限り、上向く動きは小さいながらも維持されているかなと。

 次に勤労者世帯の状況をみると収入面では実収入が前年同月比3.5%増と2ヶ月連続でプラス、内訳をみると世帯主収入(+4.1%)が2ヶ月連続でプラス、配偶者収入(+1.3%)も7ヶ月ぶりにプラスとなりました。税金や社会保険料など非消費支出を除く可処分所得も前年同月比2.1%増と2ヶ月連続でプラスとなっています。

 一方、消費支出は前年同月比1.5%増と前月(6.7%増)から上げ幅を縮小しましたが3ヶ月連続でプラスを維持しています。

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 季節調整値でみると実収入が前月比4.0%増と2ヶ月連続で増加、可処分所得も前月比2.2%増と2ヶ月連続で増加しました。一方、消費支出は前月比4.1%減と4ヶ月ぶりに減少しています。ここの所、収入と消費が異なる動きをする月が多くなっているのは気になるところです。

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 今後ですが勤労者世帯の収入は緩やかな増加が続いているものの消費支出はこれまでの家計の厳しさや先行きの収入増加を期待しづらいことから貯蓄に回りやすいなどで小幅の増加にとどまりそうです。また、勤労者以外の世帯は収入面で懸念があるのか消費支出はマイナス圏での推移が続いており、今のところ改善の動きは強いものはなさそうで全体での消費支出は横ばい圏での推移が続きそうです。

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30 8月

今週の経済指標(8月27日-9月2日)

【主な経済指標:注目度5段階】
■27日(日)
なし

■28日(月)
★☆☆☆☆ タイ:失業率
★☆☆☆☆ スウェーデン:小売売上高
★☆☆☆☆ スウェーデン:貿易収支
★★☆☆☆ ロシア:国内総生産
★★☆☆☆ アメリカ:卸売在庫
★★☆☆☆ アメリカ:ダラス連銀製造業景況指数

■29日(火)
★★★★★ 日本:家計調査
★★★☆☆ 日本:労働力調査
★★★☆☆ 日本:一般職業紹介状況
★★☆☆☆ オーストラリア:HIA住宅販売
★★☆☆☆ ドイツ:GfK消費者信頼感指数
★★★☆☆ イギリス:ネーションワイド住宅価格
★★☆☆☆ フランス:消費支出
★★★☆☆ フランス:国内総生産-改定
★★☆☆☆ カナダ:鉱工業製品価格
★★★☆☆ アメリカ:S&Pケースシラー住宅価格指数
★★★★★ アメリカ:CB消費者信頼感指数

■30日(水)
★★☆☆☆ ニュージーランド:住宅建築許可件数
★★★★☆ 日本:商業動態統計-速報
★★★☆☆ オーストラリア:住宅建築許可件数
★☆☆☆☆ ノルウェー:小売売上高
★☆☆☆☆ マレーシア:マネーサプライ
★★☆☆☆ スペイン:消費者物価指数-速報
★★★☆☆ イギリス:消費者信用残高
★★☆☆☆ イギリス:マネーサプライ
★☆☆☆☆ イタリア:生産者物価指数
★★★☆☆ ドイツ:消費者物価指数-速報
★★☆☆☆ カナダ:経常収支
★★★★★ アメリカ:国内総生産-改定
★★★☆☆ アメリカ:原油在庫量

■31日(木)
★★★☆☆ 韓国:鉱工業生産
★★★☆☆ 韓国:サービス業生産高
★★☆☆☆ 韓国:小売売上高
★★★☆☆ イギリス:GfK消費者信頼感指数
★★★★★ 日本:鉱工業生産-速報
★★★★☆ 中国:製造業PMI
★★★☆☆ オーストラリア:民間設備投資
★★★☆☆ 日本:住宅着工戸数
★★★☆☆ ドイツ:小売売上高
★★☆☆☆ フランス:消費者物価指数-速報
★☆☆☆☆ フランス:生産者物価指数
★★☆☆☆ スペイン:小売売上高
★☆☆☆☆ タイ:小売売上高
★☆☆☆☆ タイ:経常収支
★★★☆☆ ドイツ:失業率
★★☆☆☆ イタリア:失業率
★☆☆☆☆ スペイン:経常収支
★★☆☆☆ イタリア:消費者物価指数-速報
★☆☆☆☆ ブラジル:失業率
★★★☆☆ カナダ:国内総生産
★★★★★ アメリカ:個人所得・支出
★★★☆☆ アメリカ:住宅販売保留指数

■1日(金)
★★★☆☆ 韓国:消費者物価指数
★★★☆☆ 韓国:国内総生産-改定
★★★★☆ 日本:法人企業統計
★☆☆☆☆ 韓国:貿易収支-速報
★☆☆☆☆ 日本:製造業PMI-改定
★★★☆☆ 中国:Caixin製造業PMI
★★★☆☆ 日本:消費動向調査
★☆☆☆☆ スウェーデン:経常収支
★☆☆☆☆ フランス:製造業PMI-改定
★☆☆☆☆ ドイツ:製造業PMI-改定
★★★☆☆ イタリア:国内総生産-改定
★☆☆☆☆ イギリス:製造業PMI
★☆☆☆☆ ブラジル:国内総生産
★★★★★ アメリカ:雇用統計
★★★★★ アメリカ:ISM製造業景況指数
★★★☆☆ アメリカ:建設支出
★★★☆☆ アメリカ:ミシガン大学消費信頼感指数-確報

■2日(土)
なし
29 8月

ドイツ8月IFO企業景況感指数を振り返る

【ドイツ8月IFO企業景況感指数】
 ドイツのIFO経済研究所が25日に8月の景況動向調査(7000社を対象に景況に関する調査)を発表。

 8月の企業景況感指数(業況)は前月から0.1ポイント低下の115.9(2005年=100)。

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 詳細はIFO経済研究所で確認できます。

 8月のIFO企業景況感指数は前月から0.1ポイント低下の115.9となりました。自動車業界の排ガス不正や談合疑惑の影響は小規模にとどまっており市場予想(115.5)を上回っています。

 構成指数をみると足元の景況を示す現況指数は前月から0.9ポイント低下の124.6と13ヶ月ぶりに低下、半年程度先の見方を示す期待指数は前月から0.6ポイント上昇の107.9と4ヶ月連続で上昇しました。
 足元の景況は上記のように自動車の排ガス不正や談合疑惑による影響からか小売業を中心に悪化、先行きの景況見通しは海外経済・政治動向のリスクを織り込んだ模様で懸念が依然強いものの楽観的な見方も緩やかに広がってきているようです。

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 産業別にみると製造業は現況指数が小幅低下したのに対し期待指数は上昇、懸念されていた自動車業界の排ガス不正疑惑による影響は製造業についてほとんど出ていない模様です。
 続いて卸売業は現況指数が低下したのに対し期待指数が上昇、ただ現況指数の低下は小幅であり楽観的な見方は引き続き広がっています。一方、小売業は現況指数、期待指数ともに大きく低下、特に自動車販売店では買い控えが発生しているようです。
 最後に、建設業ですが現況指数、期待指数ともに大きく上昇、建設投資が拡大している模様です。
 
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 今後ですが内需は雇用増加を背景に強さが続き、外需も輸出の動きをみる限り強い状態が維持されそうで景況感指数は上昇しそうです。ただ自動車業界の排ガス不正や談合疑惑による買い控えの規模が大きくなるようだと小売業から川上の製造業に波及するかもしれず…


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29 8月

ドイツ第2四半期国内総生産改定値を振り返る

【ドイツ第2四半期国内総生産改定値】
 ドイツ連邦統計庁が25日に第2四半期の国内総生産(国内で産出された付加価値額)・改定値を発表。

 第2四半期の国内総生産・改定値は前期比0.6%増、前期は0.7%増。

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 詳細はドイツ連邦統計庁で確認できます。

 第2四半期の国内総生産・改定値は前期比0.6%増と速報値から変化はありませんでした。輸入が伸びたため外需はマイナス寄与となったものの個人消費や投資が底堅く12四半期連続でプラス成長となっています。

 内需をみると民間消費支出(+0.8%)は前期(+0.4%)から加速、雇用増加により消費は緩やかに拡大が続いているようです。一方、政府消費支出(+0.6%)も前期(+0.2%)から加速、移民向けの社会保障支出の増加が続いているようです。

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 総投資(+2.0%)は2四半期ぶりに増加、在庫変動を除く総固定資本形成(+1.0%)は2四半期連続で増加しました。種類別にみると機器設備投資(+1.2%)が2四半期連続で増加、建設投資(+1.2%)も2四半期連続で増加しました。企業は内需や外需の底堅さを背景に設備投資にやや積極的になっているようです。
 なお在庫(+0.2)は2四半期ぶりに増加、国内総生産にプラス寄与となっています。

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 外需をみると輸出(+0.7%)は3四半期連続で増加、輸入(+1.7%)は4四半期連続で増加しました。財の輸出(+0.5%)が小幅の伸びにとどまったのに対し財の輸入(+1.8%)は前期から加速、純輸出(▲0.3)は国内総生産にマイナス寄与となっています。

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 今後ですが第3四半期は消費は雇用増加を背景に緩やかに増加、投資はイギリスのEU離脱など先行き懸念があるもの内需、外需ともに底堅いことから一定の増加は維持しそうです。輸出、輸入も増加を維持しそうなことを考えると第2四半期とほぼ同じ水準の伸びを維持しそうです。

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27 8月

7月消費者物価指数を振り返る

【7月消費者物価指数】
 総務省統計局が25日に7月の消費者物価指数(家計に係る財・サービスの価格)を発表。

 7月の消費者物価指数・総合は前年同月比0.4%上昇、前月は0.4%上昇。
 生鮮食品を除く総合は前年同月比0.5%上昇、前月は0.4%上昇。
 生鮮食品及びエネルギーを除く総合は前年同月比0.1%上昇、前月は0.0%。

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 詳細は総務省統計局で確認できます。

 7月の消費者物価指数(総合CPI)は前年同月比0.4%上昇と前月と一致しました。生鮮食品がマイナスに転じたため生鮮食品を除く総合(コアCPI)は前年同月比0.5%上昇と前月から上げ幅を拡大しています。
 一方、エネルギーは前月から上げ幅を拡大、生鮮食品及びエネルギーを除く総合(新コアコアCPI)は前年同月比0.1%上昇と前月から上げ幅を拡大しました。

 消費者物価指数の内訳をみると「食料」(+0.6%)は前月(+0.8%)から上げ幅を縮小しました。
 「生鮮食品」(▲1.1%)が4ヶ月ぶりにマイナスに転じたのに対し「生鮮食品を除く食料」(+0.9%)は前月と一致しています。
 類目でみると「野菜・海藻」が前月から下げ幅を拡大したのに対しバターを含む「油脂・調味料」がプラスに転じています。

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 「エネルギー」(+5.8%)は前月(+4.9%)から上げ幅を拡大しました。
 「ガソリン」(+6.3%)が前月(+6.1%)から上げ幅を拡大、「電気代」(+6.1%)も前月(+4.9%)から上げ幅を拡大しています。

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 財・サービス別にみると「財」(+1.0%)は前月(+0.9%)から上げ幅を拡大しました。
 うち「半耐久消費財」(+0.4%)は前月(+0.5%)から上げ幅を縮小、「衣料」(0.0%)が前月(+0.4%)から上げ幅を縮小しています。「耐久消費財」(▲1.7%)は前月(▲2.1%)から下げ幅を縮小、電気洗濯機を含む「家庭用耐久財」(0.0%)が前月(▲1.0%)から下げ幅を縮小しています。

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 「サービス」(▲0.1%)は前月と一致しました。
 うち「公共サービス」(+0.1%)は前月(0.0%)から上げ幅を拡大、「家事関連サービス」(+0.1%)が前月(0.0%)から上げ幅を拡大したほか「運輸・通信関連サービス」(+0.1%)が前月(0.0%)から上げ幅を拡大しています。
 一方、「一般サービス」(▲0.1%)は前月(▲0.2%)から下げ幅を縮小、「持家の帰属家賃」(▲0.2%)が前月(▲0.3%)から下げ幅を縮小したほか外国パック旅行費を含む「通信・教養娯楽関連サービス」(▲0.4%)が前月(▲0.7%)から下げ幅を縮小しています。

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 今後ですが食品については今の水準の伸びを維持すると思われますが天候不順により供給不足が起きた場合は思わぬ上昇圧力が生じるかもしれません。一方、エネルギーは年後半まで電気代が上げ幅を拡大することから押し上げ圧力が維持されそうです。
 ただそれ以外の財、サービスの価格となると先行で発表されている8月の東京都区部の消費者物価指数をみる限り、診療代が押し上げる一方で通信料が押し下げるなどまちまちとなっています。
 以上から物価上昇率は当面、0%台半ばで推移しそうです。
 


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