satoki_segawa

こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

2016年04月

30 4月

3月消費者物価指数を振り返る

【3月消費者物価指数】
 総務省統計局が28日に3月の消費者物価指数(家計に係る財・サービスの価格)を発表。

 3月の消費者物価指数・総合は前年同月比0.1%低下、前月は0.3%上昇。
 生鮮食品を除く総合は前年同月比0.3%低下、前月は0.0%。
 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前年同月比0.7%上昇、前月は0.8%上昇。

2016042801

 費目別をみると
 食料は前年同月比2.6%上昇、前月は2.7%上昇。
 住居は同0.1%低下、前月は0.1%低下。
 光熱・水道は同8.5%低下、前月は7.3%低下。
 家具・家事用品は同0.2%上昇、前月は0.6%上昇。
 被服及び履物は2.1%上昇、前月は2.5%上昇。
 保健医療は同0.8%上昇、前月は0.6%上昇。
 交通・通信は同3.0%低下、前月は2.1%低下。
 教育は同1.7%上昇、前月は1.8%上昇。
 教養娯楽は1.7%上昇、前月は2.2%上昇。
 諸雑費は0.8%上昇、前月は0.7%上昇。

2016042802

 詳細は総務省統計局で確認できます。

 3月の消費者物価指数(総合CPI)は前年同月比0.1%低下と2013年5月以来のマイナスとなりました。またブレが大きい生鮮食品を除く総合(コアCPI)は同0.3%低下と5ヶ月ぶりにマイナスとなっています。
 一方、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は同0.7%上昇と前月(0.8%上昇)から上げ幅を縮小しましたがプラス圏を維持しました。

2016042803

 内訳をみると食料は前年同月比2.6%上昇と前月(2.7%上昇)から上げ幅を縮小しました。生鮮食品(+5.8%→+5.5%)が上げ幅を縮小したほか生鮮食品を除く食料(+2.1%→+2.0%)も小さいながら上げ幅を縮小しています。

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 細かくみると果物(+13.2%→+11.6%)や調理食品(+3.1%→+2.3%)の上げ幅が縮小しています。

 エネルギーは前年同月比13.3%低下と前月(10.9%低下)から下げ幅を拡大しました。ガソリン(▲16.7%→▲15.8%)が再び下げ幅を拡大したほか電気代(▲7.6%→▲9.0%)やガス代(▲8.3%→▲9.5%)も下げ幅の拡大が続いています。
 
2016042805

 財のうち半耐久消費財は前年同月比2.0%上昇と前月(2.1%上昇)から上げ幅を縮小しました。家事雑貨(+1.8%→+3.6%)が上げ幅を拡大したのに対し衣料(+2.3%→+1.8%)や教養娯楽用品(+0.9%→+0.7%)が上げ幅を縮小しています。

 耐久消費財は前年同月比2.3%上昇と前月(2.8%上昇)から上げ幅を縮小しました。家庭用耐久財(+0.1%→▲2.6%)がマイナスに転じたほか教養娯楽用耐久財(+10.9%→+10.4%)も小幅ですが上げ幅を縮小しています。

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 サービスのうち公共サービスは前年同月比0.3%上昇と前月と一致、一般サービスは前年同月比0.4%上昇と前月(0.5%上昇)から上げ幅を縮小しました。
 一般サービスを細かくみると宿泊料、外国パック旅行を含む通信・教養娯楽関連サービス(+1.2%→+0.5%)が上げ幅を縮小しています。

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 まとめると2月に上げ幅を拡大していた衣料品、宿泊料・外国パック旅行などが上げ幅を縮小したためコアコア指数は上げ幅を縮小しました。また電気代やガソリンが下げ幅を拡大したことからコア指数はマイナスに転化、食料が小幅の動きにとどまったことから総合指数もマイナスに転じました。

 今後ですが為替動向を考えると食料は上げ幅を縮小、原油価格動向を考えるとガソリンなど石油製品の下げ幅は縮小するものの電気代などエネルギー関連サービスは今の水準の下げ幅を維持しそうです。

 コア部分をみると財では需要や為替の動向をみると教養娯楽耐久財が上げ幅をさらに縮小、サービスでは宿泊料や旅行など教養娯楽関係が上下にぶれるものの需要が比較的強い外食以外はかなり動きが鈍いように見えます。

 以上から生鮮食品やエネルギーを除く財およびサービスともに価格上昇圧力はあるものの強くないことから生鮮食品やエネルギー製品の動きにより、概ね物価上昇率は僅かにマイナスとなる状況がしばらく続くように見えます。

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29 4月

イギリス第1四半期国内総生産速報値を振り返る

【イギリス第1四半期国内総生産速報値】
 英国立統計局が27日に第1四半期の国内総生産(国内で産出された付加価値額)速報値を発表。

 第1四半期の国内総生産速報値は前期比0.4%増。前期は0.6%増。

2016042705

 速報で公開される供給側の内訳をみると
 農林漁業は前期比0.1%減、前期は0.3%増。
 鉱工業は同0.4%減、前期は0.4%減。
 うち製造業は同0.4%減、前期は0.1%増。
 建設業は同0.9%減、前期は0.3%増。
 サービス業は同0.6%増、前期は0.8%増。

2016042706

 詳細は英国立統計局で確認できます。

 第1四半期の国内総生産速報値は前期比0.4%増と市場予想と一致したものの前期(0.6%増)から鈍化しました。速報では供給側の内訳のみになりますが鉱工業やサービス業の動きをみると景況はやや悪化しているように見えます。

 供給側を産業別にみるとサービス業(+0.6%)は堅調なものの前期からは鈍化したほか、鉱工業(▲0.4%)が2四半期連続でマイナス、建設業(▲0.9%)も2四半期ぶりにマイナスとなっています。

2016042707

 細かくみると鉱工業のうち鉱業・採掘業(▲2.2%)は2四半期連続でマイナス、輸出の伸び悩みから製造業(▲0.4%)も2四半期ぶりにマイナスとなっています。

 一方、サービス業では事業支援、金融業(+0.3%)や商業、宿泊・飲食業(+1.3%)といったところが前期から鈍化しています。

 まとめると国内総生産はサービス業の堅調な伸びを背景に13四半期連続でプラス成長となりました。ただ、輸出は海外経済の減速や通貨高から伸び悩みが続いており製造業は2四半期連続でマイナスになるなど足を引っ張り全体の成長率は鈍化しています。

 今後ですが製造業の生産は海外経済の状況をみる限り上向くにはなお時間を要し、サービス業についても製造業に近い業種ほど伸び悩みやすく、プラス成長は維持できそうですがEU離脱に関する国民投票までは先行きが不透明、さらに鈍化するように思います。


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29 4月

オーストラリア第1四半期消費者物価指数を振り返る

【オーストラリア第1四半期消費者物価指数】
 オーストラリア統計局は27日に第1四半期の消費者物価指数(家計に係る財・サービスの価格)を発表。

 第1四半期の消費者物価指数・総合は前年同期比1.3%上昇、前期は1.7%上昇。

2016042701

 費目別にみると
 食品・飲料(酒類除く)は前年同期比横ばい、前期は0.4%上昇。
 酒・たばこは同6.1%上昇、前期は6.0%上昇。
 被服及び履物は同0.8%低下、前期は0.5%上昇。
 住居は同1.7%上昇、前期は2.2%上昇。
 家具・家事用品は同2.0%上昇、前期は1.9%上昇。
 保健医療は同4.6%上昇、前期は5.3%上昇。
 交通は同0.5%低下、前期は1.4%低下。
 情報通信は同6.4%低下、前期は6.3%低下。
 教養娯楽は0.1%上昇、前期は1.7%上昇。
 教育は3.3%上昇、前期は5.5%上昇。
 保険・金融は2.3%上昇、前期は1.8%上昇。

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 詳細はオーストラリア統計局で確認できます。

 第1四半期の消費者物価指数は前年同期比1.3%上昇と前期(1.7%上昇)から上げ幅を縮小しました。市場予想(前期比0.2%上昇、前年同期比1.7%上昇)を下回り、需要減の見通しから景気がさらに弱含みそうな結果となっています。

 なお中央銀行が目標としているトリム(刈り込み)平均は前年同期比1.7%上昇、他国がコア指数として採用している食料およびエネルギーを除いた指数は前年同期比1.9%上昇とともに前期から上げ幅を縮小しています。

 また前期比でみると総合は0.2%低下と7年ぶりにマイナスとなりました。内訳をみると教育(+3.1%)や医薬品を含む保健医療(+1.9%)が上昇したのに対し自動車燃料を含む交通(▲2.5%)や装飾品を含む被服及び履物(▲2.6%)、海外旅行費用を含む教養娯楽(▲1.0%)などが低下しています。

2016042703

 まとめるとエネルギーのほか財・サービスとも多くの項目で前期から低下、前年同期比で伸び悩みが見られたことから景気が思いのほか弱含んでいるように見えました。

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 今後ですが中央銀行は目標レンジ(2-3%上昇)の下方にあることから景気刺激のため政策金利引き下げを行う可能性があります。ただ雇用動向をみると比較的良好なため、政策金利を引き下げはあったとしても小幅なもの1回にとどまり、効果を見極めるのではないかと…。


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29 4月

アメリカ4月CB消費者信頼感指数を振り返る

【アメリカ4月CB消費者信頼感指数】
 米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)が26日に4月の消費者信頼感指数(消費者の態度や期待の調査結果)を発表。

 4月の消費者信頼感指数は前月から1.9ポイント低下の94.2(1985年=100)。
 現況指数は前月から1.5ポイント上昇の116.4。
 期待指数は前月から4.3ポイント低下の79.3。

2016042607

 詳細はコンファレンス・ボードで確認できます。

 4月の消費者信頼感指数は前月から1.9ポイント低下の94.2と市場予想(96.0)を下回りました。足元の景況を示す現況指数は1.5ポイント上昇したのに対し、先行きの景況予想を示す期待指数は4.3ポイント低下しています。

2016042608

 調査内容をみると業況では現状は「良い」との回答(▲1.7pt)が3ヶ月連続で減少、「悪い」との回答(▲1.1pt)が2ヶ月連続で減少しました。先行きは「改善する」との回答(▲1.3pt)が2ヶ月ぶりに減少、「悪化する」との回答(+1.5pt)が2ヶ月ぶりに増加しています。
 足元は楽観的な見方が後退、先行きは楽観的な見方の後退が続いているものの悲観的な見方は広がっていないようです。

2016042609

 雇用は現状では「十分」との回答(▲1.3pt)が2ヶ月ぶりに減少、「困難」との回答(▲2.5pt)が3ヶ月ぶりに減少しました。先行きでは「増加する」との回答(▲0.8pt)が2ヶ月ぶりに減少、「減少する」との回答(+0.9pt)が2ヶ月ぶりに増加しています。足元の見方の改善は足踏み状態となり、先行きも増加するとの見方は広がりがないように見えます。

2016032923

 最後に所得をみると「増加する」との回答(▲1.0pt)が3ヶ月連続で減少、「減少する」との回答(▲1.1pt)が4ヶ月ぶりに減少しました。「増加する」が「減少する」を上回る状況が続いていますが増加する見方は広がりを見せてはおらず、所得増加による更なる消費拡大は望みにくそうです。

2016032924

 まとめると指数は上昇したものの足元の景況によるところが大きく、先行きはむしろ厳しい見方が増しているように見えます。

 今後ですが雇用が底堅いことから消費は一定の底堅さは見込めますが拡大は望みにくそうです。このため成長率は伸び悩む可能性が高くなってきたように思います。

 
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29 4月

韓国第1四半期国内総生産速報値を振り返る

【韓国第1四半期国内総生産速報値】
 韓国中央銀行が26日に第1四半期の国内総生産(国内で産出された付加価値額)速報値を発表。
 
 第1四半期の国内総生産・速報値は前期比0.4%増、前期は0.7%増。

2016042601

 需要側をみると
 民間消費支出は前期比0.3%減、前期は1.4%増。
 政府消費支出は同1.3%増、前期は1.0%増。
 総固定資本形成は同1.2%増、前期は0.9%減。
 輸出は同1.7%減、前期は2.1%増。
 輸入は同3.5%減、前期は3.2%増。

2016042602

 詳細は韓国中央銀行で確認できます。

 第1四半期の国内総生産・速報値は前期比0.4%増と前期(0.7%増)から上げ幅を縮小しました。市場予想を下回り、また2四半期連続で0%台の成長にとどまり韓国経済が厳しい状況におかれていることが改めて示されています。

 供給側をみると建設業(+3.2%)が3四半期連続でプラスとなったのに対し製造業(▲0.2%)が5四半期ぶりにマイナスとなりました。一方サービス業(+0.5%)はプラスを維持したものの伸びが縮小、内容をみると金融業・保険業(+1.6%)が伸びたのに対し卸売・小売業、飲食・宿泊業(▲0.1%)はマイナスに転じています。

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 需要側をみると政府消費支出が3四半期連続で1%を超える伸びとなったのに対し民間消費支出は3四半期ぶりにマイナスとなりました。どうやら政府が打ち出してきた消費刺激策の効果が剥落してきた模様です。

 一方、投資を示す総固定資本形成(+1.2%)は2四半期ぶりにプラスとなりました。種類別にみると機器設備投資(▲5.9%)が8四半期ぶりに落ち込んだのに対し建設投資(+5.9%)が前期の落ち込みの反動などでプラスに転じています。

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 外需をみると輸出(▲1.7%)はサービスの輸出(+7.4%)は伸びたものの財の輸出(▲2.9%)が落ち込み2四半期ぶりに減少しました。一方、輸入(▲3.5%)もサービスの輸入(+1.5%)が堅調だったのに対し財の輸入(▲4.8%)は大きく落ち込みました。

2016042605

 まとめると民間消費はこれまでの景気刺激策の効果が剥落、設備投資は見た目の数字は悪くないものの中身をみるとブレが大きく不安定、輸出は海外経済の動向や通貨高もあり落ち込んでいます。

 今後ですが外需は海外経済や通貨高の状況から引き続き期待しにくく、内需も消費刺激策の効果剥落、家計債務が高水準なことから拡大は考えにくいことから成長率は鈍化が続くものと考えられます。


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