satoki_segawa

こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

2015年06月

30 6月

今週の経済指標(6月28日-7月4日)

【主な経済指標:注目度5段階】
■28日(日)
なし
 
■29日(月)
★★★★★ 日本:鉱工業生産-速報
★★★☆☆ 日本:商業動態統計-速報
★★★☆☆ スペイン:消費者物価指数-速報
★★☆☆☆ スペイン:小売売上高
★★☆☆☆ イギリス:消費者信用残高
★★☆☆☆ イギリス:マネーサプライ
★★★★☆ ドイツ:消費者物価指数-速報
★☆☆☆☆ カナダ:鉱工業製品価格
★★★☆☆ アメリカ:中古住宅保留件数
★★☆☆☆ アメリカ:ダラス連銀製造業景況指数

■30日(火)
★★☆☆☆ ニュージーランド:建築確認件数
★★☆☆☆ 韓国:鉱工業生産
★★☆☆☆ 韓国:サービスセクター生産
★★☆☆☆ 韓国:小売売上高
★★☆☆☆ オーストラリア:HIA新築住宅販売戸数
★★★☆☆ オーストラリア:民間向け信用残高
★★★★☆ 日本:毎月勤労統計-速報
★☆☆☆☆ タイ:鉱工業生産
★★★★☆ 日本:住宅着工件数
★★★☆☆ ドイツ:小売売上高
★★☆☆☆ フランス:個人消費
★☆☆☆☆ フランス:生産者物価指数
★☆☆☆☆ タイ:貿易収支
★★★☆☆ ドイツ:失業率
★☆☆☆☆ スペイン:経常収支
★☆☆☆☆ イギリス:経常収支
★★★★☆ イギリス:国内総生産-改定
★★★☆☆ アメリカ:S&Pケースシラー住宅販売価格指数
★★★★☆ アメリカ:CB消費者信頼感指数

■1日(水)
★★★☆☆ 韓国:消費者物価指数
★★★★★ 日本:日銀短観
★★☆☆☆ 韓国:貿易収支
★★★★☆ 中国:製造業PMI
★★★★☆ 中国:非製造業PMI
★★★☆☆ オーストラリア:建築確認件数
★☆☆☆☆ 日本:製造業PMI
★★★★☆ 中国:HSBC製造業PMI
★☆☆☆☆ 台湾:製造業PMI
★☆☆☆☆ タイ:消費者物価指数
★★☆☆☆ アメリカ:製造業PMI
★★★★☆ アメリカ:建設支出
★★★★★ アメリカ:ISM製造業景況指数
★★☆☆☆ アメリカ:自動車販売
★☆☆☆☆ ブラジル:貿易収支

■2日(木)
★★★☆☆ 韓国:経常収支
★☆☆☆☆ 日本:マネタリーベース
★★★☆☆ オーストラリア:貿易収支
★★☆☆☆ イギリス:住宅価格指数
★☆☆☆☆ ブラジル:鉱工業生産
★★★★★ アメリカ:雇用統計
★★★☆☆ アメリカ:製造業新規受注

■3日(金)
★★★☆☆ オーストラリア:小売売上高
★☆☆☆☆ マレーシア:貿易収支
★★★☆☆ 中国:HSBCサービスPMI

■4日(土)
なし

29 6月

5月労働力調査、一般職業紹介状況を振り返る

【5月労働力調査】 
 総務省労働局が26日に5月の労働力調査の結果を発表。

■原数値
 就業者数は前年同月比2万人増、前月は4万人増。
 雇用者数は前年同月比32万人増、前月は29万人増。
 完全失業者数は前年同月比18万人減、前月は20万人減。
 非労働力人口は前年同月比8万人増、前月は13万人増。

2015062617

■主要産業別就業者
 建設業は前年同月比6万人減、前月は横ばい。
 製造業は前年同月比3万人減、前月は14万人減。
 卸売・小売業は前年同月比14万人減、前月は15万人減。
 宿泊・飲食サービス業は前年同月比3万人減、前月は15万人減。
 医療・福祉が前年同月比35万人増、前月は30万人増。

2015062618

■求職理由別失業者
 非自発的な離職(勤務先都合など)が前年同月比6万人減、前月9万人減。
 自発的な離職は前年同月比2万人減、前月は3万人減。
 新たに求職は前年同月比11万人減、前月は5万人減。

2015062619

■季節調整値
 就業者数は前月比19万人増。
 雇用者数は前月比18万人増。
 完全失業者数は前月比1万人減。
 非労働力人口は前月比22万人減。
 失業率は前月から横ばいの3.3%。
 性別でみると男性は前月から0.2%ポイント上昇の3.6%。
 女性は前月から0.2%ポイント低下の3.0%。

2015062620

 詳細は総務省統計局で確認できます。

 5月の失業率(季節調整値)は3.3%と前月と同水準となりました。原数値では失業者数が前年を下回る一方就業者数の上げ幅が縮小しておりあまり良い結果とは言えませんが、季節調整値でみると就業者数が前月の減少から反動で上昇しており見た目より内容は良いと判断できます。

 もっとも就業者数の増加ペースは鈍くなっており、雇用を取り巻く環境を考えるとこの増加ペースも維持できるかやや疑問があります。 
 
2015062621
 
 就業者数(以下、原数値)を産業別にみると医療・福祉(4月+30万人→4月+35万人)が16ヶ月連続、他に分類されないサービス業(4月+23万人→5月+18万人)が5ヶ月連続、情報通信業(4月+15万人→5月+11万人)が2ヶ月連続でプラスとなりました。

 一方、卸売・小売業(4月▲15万人→5月▲14万人)や運輸・郵便業(4月▲16万人→5月▲17万人)が2ヶ月連続でマイナスとなった一方、製造業(4月▲14万人→5月▲3万人)や宿泊業・飲食サービス業(4月▲15万人→5月▲3万人)が下げ幅を縮小しています。

 失業者数を求職理由別にみると自発的な失業者(4月▲3万人→4月▲2万人)が3ヶ月連続、非自発的な失業者(4月▲9万人→5月▲6万人)が29ヶ月連続、新たに求職(4月▲5万人→5月▲11万人)が10ヶ月連続でマイナスとなりました。

 まとめると就業者は鈍化しつつあったものの前月比では増加に転じ、失業者は緩やかな減少を続けており比較的良い結果となっています。ただ就業者数の増加には以前ほどの勢いがなくやや頭打ちになりつつある印象は変わりません。


【5月一般職業紹介状況】 
 厚生労働省が26日に5月の一般職業紹介状況の結果を発表。

■有効求人(季節調整値)
 有効求人数が前月比0.7%増、前月は0.8%増。
 有効求職者数が前月比1.3%減、前月は0.7%減。
 有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の1.19倍。

2015062622

■新規求人(季節調整値)
 新規求人数は前月比2.1%増、前月は5.4%増。
 新規求職申込数は前月比1.9%増、前月は2.6%増。
 新規求人倍率は前月から0.01ポイント上昇の1.78倍。

2015062623

 詳細は厚生労働省で確認できます。

 5月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の1.19倍となり市場予想(1.17倍)を上回りました。求人数が2ヶ月連続で増加した一方、求職者数は3ヶ月連続で減少しました。求人倍率が上昇していることから労働需給は全体としては引き締まっている状態が続いています。

 先行指標の新規求人倍率は前月から0.01ポイント上昇の1.78倍となりました。求人数、求職申込件数ともに2ヶ月連続で増加しており、求人動向は緩やかな増加傾向が維持されているとみてよさそうです。もっとも求職者数の減少より倍率は高くなりやすく以前のように前向きにみて良いかは疑問があるのですが。

 なお新規求人数を原数値でみると前年同月比4.0%減と6か月ぶりにマイナスとなりました。有効求人数も前年同月比1.1%増と前月(2.7%増)から鈍化しており、求人数は企業を取り巻く環境を考えるとマイナスにはならないまでも伸びは徐々に縮小していきそうです。

2015062624

 新規求人数を職業別にみるとサービス以外は前年を下回り、サービスの内訳をみると介護サービスが大部分を占める状況が続いています。介護サービスについては人手不足の状況が依然として高い水準で続いているようです。

2015062626


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28 6月

5月家計支出を振り返る

【5月家計支出】
 総務省統計局が29日に5月の家計調査を発表。

■総世帯(二人以上の世帯)
 1世帯あたりの消費支出は28万6433円、前年同月比で実質4.8%増、名目5.5%増。
 消費支出(除く住居等)は24万9915円、前年同月比で実質3.7%増、名目4.4%増。

2015062609

■消費支出(実質)
 食料は前年同月比0.7%増、前月は3.2%増。
 住居は同23.6%増、前月は20.6%減。
 光熱・水道は同4.5%増、前月は0.2%増。
 家具・家事用品は同19.3%増、前月は19.5%増。
 被服及び履物は同1.1%増、前月は8.5%増。
 保健医療は同3.1%増、前月は2.2%増。
 交通・通信は同14.8%増、前月は7.0%増。
 教育は同5.2%増、前月は12.6%減。
 教養娯楽は同1.9%減、前月は8.5%減。 

2015062610

■勤労者世帯(二人以上の世帯)
 実収入は43万325円、前年同月比で実質1.5%増、名目2.2%増。
 可処分所得は32万7875円、前年同月比で実質1.5%増、名目2.2%増。
 消費支出は31万7317円、前年同月比で実質7.5%増、名目8.3%増。 

2015062611

■収入の内訳(勤労者世帯)
 世帯主収入は34万9201円、前年同月比で実質0.7%減、名目横ばい。
 配偶者収入は5万8101円、前年同月比で実質5.3%増、名目6.0%増。

2015052913

 詳細は総務省統計局で確認できます。

 5月の消費支出(以下、実質)は前年同月比4.8%増と市場予想(3.3%増)を上回りました。ただ前年同月が消費税の駆け込み需要の反動により前年同月比8.0%減となっていたことを考えると強い結果とは言い難いです。

 なお月ごとのブレが大きい住居等を除いた消費支出は前年同月比3.7%増と2ヶ月連続でプラスになりましたが前年同月が同6.5%減という落ち込みだったことを考えるとやはり強い結果とは言えません。

 費目をみると住居(前年同月比23.6%増)が大きくプラスなったほか前年同月に駆け込み需要の反動で減少していた家具・家事用品(同19.3%増)、交通・通信(同14.8%増)をはじめ8項目で前年を上回りました。一方、教養娯楽(同1.9%減)は14ヶ月連続で前年を下回っています。

 季節調整値でみると消費支出(前月比2.4%増)は2ヶ月ぶりに増加、ただ前月(同5.5%減)の落ち込みからの戻りは小さく原数値と同様に良い結果とは言えないです。
 月ごとのブレが大きい住居等を除いた消費支出(同2.1%増)も2ヶ月ぶりに増加、ただ原数値と同様に前月(同3.5%減)からの戻りは弱いです。

2015062613

 費目をみると前月落ち込んでいた住居(前月比17.5%増)や教育(同17.0%増が二桁増、天汚行が良かったことから教養娯楽(同3.9%増)などが増加したものの被服及び履物(同6.4%減)や保健医療(同3.5%減)が減少しています。 

2015062614

 消費動向を的確にみるために消費支出から世帯人員や物価水準の変動、世帯主の年齢変動を除去した消費水準指数をみると総合が前月比0.2%増の96.5(2010年=100)、月ごとのブレが大きい住居等を除く消費支出も同0.9%減の97.5とともに2ヶ月ぶりに増加していますが前月の落ち込みを考えると戻りはやはり弱いです。

2015062615

 まとめると見た目は強い結果となっていますが比較となった前年や前月が低かったことを考えると消費は見た目ほど強くありません。季節調整値の動きをみる限り、消費税増税前の水準を下回る状態で横ばいが続いていると判断できます。

 今後ですが賃金が前年を上回り始めており夏のボーナスもある程度は期待できるほか原油価格の低下からエネルギーコストは低下しており消費は増加傾向が見込まれます。

 ただ購入頻度が高い食料品が通貨安を背景に上昇しやすく、物価高を感じて消費は抑制しがちになりやすそうです。また所得も配偶者収入や他世帯員収入が増加する一方で世帯主収入は横ばいとなっており、このままで推移するようだと世帯収入は増えるものの先行きに期待できるかは微妙で消費拡大は限定的になりそうです。

2015062616


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28 6月

5月消費者物価指数を振り返る

【5月消費者物価指数】
 総務省統計局が26日に5月の消費者物価指数を発表。

 5月の消費者物価指数・総合は前月比0.3%上昇。前年同月比0.5%上昇、前月は0.6%上昇。
 生鮮食品を除く総合は前月比0.2%上昇。前年同月比0.1%上昇、前月は0.3%上昇)。
 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前月比0.1%上昇。前年同月比0.4%上昇、前月は0.4%上昇。

2015062601

■費目別
 食料は前年同月比3.1%上昇、前月は2.7%上昇。
 住居は前年同月比0.1%低下、前月は横ばい。
 光熱・水道は前年同月比1.7%低下、前月は2.2%上昇。
 家具・家事用品は前年同月比0.3%上昇、前月は0.3%低下。
 被服及び履物は前年同月比1.8%上昇、前月は1.8%上昇。
 保健医療は前年同月比0.5%上昇、前月は0.2%上昇。
 交通・通信は前年同月比2.4%低下、前月は2.4%低下。
 教育は前年同月比1.5%上昇、前月は1.5%上昇。
 教養娯楽は前年同月比0.7%上昇、前月は0.1%低下。
 諸雑費は前年同月比0.5%上昇、前月は0.3%上昇。

2015062602

■財・サービス別
 財は前月比0.5%上昇。前年同月比0.6%上昇、前月は0.8%上昇。
 サービスは前月比横ばい。前年同月比0.4%上昇、前月は0.4%上昇。

2015062603

 詳細は総務省統計局で確認できます。

 5月の消費者物価指数(総合CPI)は前年同月比0.5%上昇と前月(0.6%上昇)から上げ幅を縮小、日本銀行の政策目標とされている生鮮食品を除く総合(コアCPI)も同0.1%上昇と前月(0.3%上昇)から上げ幅を縮小しましたが市場予想(0.2%上昇)を上回りました。

 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は前年同月比0.4%上昇と前月から横ばいとなっています。消費税増税の効果によるエネルギーの低下よりも食料品の値上げの影響が大きかった模様です。

 内訳をみると食料は前年同月比3.1%上昇と前月(2.7%上昇)から上げ幅を拡大しました。生鮮食品を除く食料(4月+1.5%→5月+1.5%)はほぼ横ばいで推移しましたが生鮮食品(4月+9.2%→5月+11.0%)が上げ幅を拡大しています。

 分類でみると生鮮食品の割合が大きい野菜・海藻(4月+9.1%→5月+11.8%)や果物(4月+8.5%→5月+10.7%)が上げ幅を拡大したほか、乳卵類(4月+1.7%→5月+3.0%)も上げ幅を拡大、油脂・調味料(4月▲0.8%→5月+0.2%)や飲料(4月▲0.7%→5月+0.8%)がプラスに転じています。

2015062604

 エネルギーは前年同月比6.0%低下と前月(3.4%低下)から下げ幅を拡大しました。前年の値上げの影響で電気代(4月+5.3%→5月+0.5%)が上げ幅を縮小、ガス代(4月+3.5%→5月▲1.1%)がマイナスに転じたためで、灯油(4月▲21.6%→5月▲21.7%)やガソリン(4月▲15.9%→5月▲15.2%)ほぼ横ばいで推移しています。

2015062605

 財のうち耐久消費財は前年同月比0.3%低下と前月(0.8%低下)から下げ幅を縮小しました。新製品による影響から家庭用耐久財(4月▲3.1%→5月▲1.1%)や教養娯楽用耐久財(4月▲3.5%→5月▲1.7%)の下げ幅が縮小しています。
 なお半耐久消費財は前年同月比1.7%上昇と前月(1.6%上昇)から上げ幅を小幅拡大となっています。

2015062606

 サービスのうち公共サービスは前年同月比1.3%上昇と前月(1.6%上昇)から上げ幅を縮小しました。上下水道料の値上げの裏により家事関連サービス(4月+2.6%→5月+2.2%)が上げ幅を縮小しています。

2015062607

 一般サービスは前年同月比0.1%上昇と前月から横ばいとなりました。ブレが大きい宿泊料(4月+0.8%→5月+3.4%)や外国パック旅行(4月▲4.8%→5月▲0.2%)を含む通信・教養娯楽サービス(4月▲0.8%→5月▲0.3%)が下げ幅を縮小しています。
 なお合わせると2割近くのウェイトがある民営家賃(4月▲0.4%→5月▲0.4%)や持家の帰属家賃(4月▲0.3%→5月▲0.3%)は供給過剰などから前年を下回る状態が続いています。

 2015062608

 今後ですが食料品は輸入品を中心に値上げの動きが続きやすく上昇基調を維持しそうです。一方、エネルギーは灯油やガソリンが昨年夏の強い動きもあり下げ幅を縮小するものの電気代等は鈍化しやすく小幅にとどまりそうです。

 食料やエネルギーを除く財では耐久消費財で見られた持ち直しの動きが持続的か単月のブレにとどまるか気になるところです。サービスではウェイトが大きい家賃関係は需給関係から低下圧力が働きやすく、曜日関係でブレやすい宿泊料や外国パック旅行等により上下にブレつつも横ばいで推移しそうです。

 来月以降、食料品や耐久消費財の動きによりマイナスに転じるかどうかが決まりそうなところで物価の基調を推し量る意味でもこれらの動きが非常に気になります。ただ耐久消費財のうち教養娯楽耐久財は昨年6月に強い動きをしており推し量るには2、3ヶ月先まで時間がかかりそうです。


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27 6月

アメリカ5月個人所得・支出を振り返る

【アメリカ5月個人所得・支出】
 米商務省が25日に5月の個人所得・支出を発表。

■名目個人所得
 個人所得が前月比0.5%増、前月は0.5%増。
 雇用者報酬が前月比0.4%増、前月は0.3%増。
 賃金・給与が同0.5%増、前月は0.3%増。
 可処分所得が同0.5%増、前月は0.4%増。

2015062505

■名目個人消費支出
 個人消費支出は前月比0.9%増、前月は0.1%増。
 財が前月比2.0%増、前月は0.4%減。
 サービスが同0.3%増、前月は0.3%増。
 財のうち耐久財が前月比2.2%増、前月は0.1%増。
 非耐久財が同1.9%増、前月は0.7%減。

2015062506

■実質
 可処分所得は前月比0.2%増、前月は0.4%増。
 消費支出は前月比0.6%増、前月は横ばい。

2015062507

 詳細は米商務省で確認できます。

 5月の個人所得・支出は所得が前月比0.5%上昇と市場予想と一致、消費支出は同0.9%増と2009年8月以来の高い伸びとなり市場予想(0.7%増)を上回り4ヶ月連続で増加しました。4月の消費が横ばいから0.1%増に上方修正されていることも考えるとかなり強い結果となっています。

 所得をみると雇用者報酬(前月比0.4%増)、雇用者報酬に含まれる賃金・給与(同0.5%増)とも前月から上げ幅を拡大しました。また利子・配当収入(1.1%増)など他の収入も寄与したため可処分所得(0.5%増)は高い伸びとなっています。

 消費支出をみると耐久財(同2.2%増)が自動車購入により3ヶ月連続で増加したほか非耐久財(同1.9%増)が2ヶ月ぶりに上げ幅を拡大しました。一方、サービス(同0.3%増)は前月と同じ伸びにとどまりました。

 貯蓄率は消費支出の伸びが可処分所得の伸びを上回ったため前月から0.3%ポイント低下の5.1%となりました。貯蓄率は消費が拡大したため低下したものの過去の推移をみる限り、水準はまだ比較的高く消費は拡大しやすい状況です。

2015062508

 物価上昇率の変動を取り除いた実質ベースでみると可処分所得(0.2%増)は伸びたものの前月(0.4%増)からは鈍化、消費支出(0.6%増)は前月の横ばいから再びプラスに転じています

 同時に発表されたPCEデフレータは前月比0.3%上昇となりましたが前年同月比0.2%上昇と前月と変わりませんでした。一方、食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレータも前月比0.1%上昇と小幅の伸びにとどまり、前年同月比1.3%上昇と前月から鈍化しています。

 エネルギーデフレータが前月比(4.7%上昇)では持ち直したものの前年同月比(16.9%低下)では前年を大きく下回る状態が続いています。食品デフレータは前月比横ばい、前年同月比0.7%上昇と鈍化傾向が鮮明になってきています。

2015062509

 今後ですが消費支出については家計は貯蓄率をみると余裕があり、今回のような伸びは望みにくいですが拡大しやすそうです。ただ消費が一段と拡大するかについては賃金など所得がどのくらい伸びると期待できるかにかかると考えられます。

 物価上昇率はエネルギー価格が持ち直すため次第に上向きやすくなり、あとは所得増加などでうまく消費が拡大していくようであれば上げ幅を拡大しそうです。ただFRBが目標としている2%へはまだ時間がかかりそうです。


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