satoki_segawa

こぼれおちるもの

個人的な経済指標観測と実践している投資状況のメモです。

2014年08月

31 8月

7月消費者物価指数を振り返る

【7月消費者物価指数】
 総務省統計局が29日に7月の消費者物価指数を発表。

 7月の消費者物価指数・総合は前月から横ばいの103.4(2010年=100)、前年同月比3.4%上昇(前月3.6%上昇)。
 生鮮食品を除く総合は前月比0.1%上昇、前年同月比3.3%上昇(同3.3%上昇)。
 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前月から横ばい、前年同月比2.3%上昇(同2.3%上昇)。
 持家の帰属家賃を除く総合は前月比0.1%上昇、前年同月比4.1%上昇(同4.4%上昇)。

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■費目別
 前月比でみると食料は0.1%低下、住居は横ばい、光熱・水道は0.1%低下、家具・家事用品は0.8%低下、被服及び履物は2.1%低下、保健医療は横ばい、交通・通信は0.8%上昇、教育は横ばい、教養娯楽は0.6%上昇、諸雑費は0.1%低下。

 前年同月比でみると食料は4.5%上昇(前月5.1%上昇)、住居は0.2%上昇(前月0.1%上昇)、光熱・水道は7.2%上昇(前月8.1%上昇)、家具・家事用品は4.3%上昇(前月5.1%上昇)、被服及び履物は2.4%上昇(前月2.0%上昇)、保健医療は1.5%上昇(前月1.4%上昇)、交通・通信は3.8%上昇(前月3.6%上昇)、教育は2.3%上昇(前月2.3%上昇)、教養娯楽は4.9%上昇(前月4.7%上昇)、諸雑費は4.4%上昇(前月4.7%上昇)。

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■財・サービス別
 財は前月比0.2%低下の104.8、前年同月比5.1%上昇(前月5.6%上昇)。
 サービスは前月比0.3%上昇の102.1、前年同月比1.8%上昇(前月1.7%上昇)。

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 詳細は総務省統計局で確認できます。

 7月の消費者物価指数・総合は前年同月比3.4%上昇と前月から鈍化しました。生鮮食品が上げ幅を縮小したためで生鮮食品を除く総合(コアCPI)は同3.3%上昇、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は同2.3%上昇と前月と変わりませんでした。

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 内訳をみると家庭用耐久財(6月+8.5%→7月+6.5%)、身の回り品(6月+9.0%→7月+6.1%)が上げ幅を縮小する一方で自動車保険料(6月▲1.8%→7月+0.1%)、宿泊料(6月+5.3%→7月+7.4%)が上昇し、コアコアCPIは横ばいとなっています。

 エネルギーは電気代(6月+9.9%→7月+8.5%)、都市ガス代(6月+7.4%→7月+5.9%)が上げ幅を縮小、灯油(6月+10.2%→7月+10.1%)、ガソリン(6月+10.6%→7月+10.4%)がほぼ横ばいとなったため鈍化しています。
 一方、生鮮食品を除く食料は菓子類(6月+3.2%→7月+5.2%)、調理食品(6月+5.9%→7月+6.4%)が上げ幅を拡大し加速、エネルギーの鈍化と生鮮食品を除く食料の加速が相殺され、コアCPIは横ばいとなっています。

 さらに生鮮食品(6月+11.1%→7月+5.8%)が上げ幅を縮小したため総合CPIは鈍化しています。

 注目している一般サービスは民営家賃、持家の帰属家賃ともに前月から変わりがなく、他のサービスも上記にあげた宿泊料以外は小幅の動きとなっています。

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 なおサービス全体では今月も前年同月比1.8%上昇と加速していますが、そのほとんどが公共サービスによるところが大きく、一般サービスは若干伸びが鈍化しています。

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 今後も円安効果の剥落、消費税増税による需要抑制などから物価上昇率は鈍化しやすく年末にかけ3%前後(消費税抜きで1%前後)になると予想します。ただエネルギーについて電気代が値上げする可能性が高そうでさほど鈍化しないかもしれません。

 物価上昇率に対する家計の負担を確認するため基礎的支出(生活必需品)と選択的支出(贅沢品)の動きをみると基礎的支出は前年同月比4.6%上昇と前月(5.0%上昇)から鈍化、選択的支出は同3.3%上昇と前月から横ばいとなっています。

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 基礎的支出の伸びが鈍化、選択的支出の伸びが横ばいとなり、伸びの差は狭まりました。生鮮食品とエネルギー価格の鈍化の影響が大きい模様ですが、上記のようにエネルギー価格は鈍化が続くか不透明なので、今後も狭まるかは不明です。


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31 8月

アメリカ第2四半期国内総生産改定値を振り返る

【アメリカ第2四半期国内総生産二次速報値】
 米商務省が28日に第2四半期の国内総生産(GDP)二次速報値(改定値)を発表。

 第2四半期の国内総生産改定値は前期比1.0%増(年率換算4.0%増)から同1.0%増(年率換算4.2%増)に上方修正。

 需要項目別にみると個人消費支出は前期比0.6%増(年率換算2.5%増)から変わらず。
 個人消費支出のうち財は前期比1.5%増(年率換算6.2%増)から同1.4%増(年率換算5.8%増)に下方修正。サービスは前期比0.2%増(年率換算6.7%増)から同0.2%増(年率換算0.8%増)に上方修正。

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 民間投資は前期比4.0%増(年率換算17.0%増)から同4.1%増(年率換算17.5%増)に上方修正。
 民間投資のうち固定資産投資は前期比1.4%増(年率換算5.9%増)から同2.0%増(年率換算8.2%増)に上方修正。

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 民間投資に含まれる在庫投資は934億ドルから839億ドルに下方修正。

 輸出は前期比2.3%増(年率換算9.5%増)から同2.4%増(年率換算10.1%増)に上方修正。輸入は前期比2.8%増(年率換算11.7%増)から同2.7%増(年率換算11.0%増)に下方修正。
 純輸出は▲4703億ドルから▲4635億ドルに上方修正。

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 政府消費支出は前期比0.4%増(年率換算1.6%増)から同0.4%増(年率換算1.4%増)に下方修正。

 詳細はアメリカ合衆国商務省経済分析局で確認できます。

 第2四半期の国内総生産二次速報値は前期比1.0%増、年率換算4.2%増と市場予想(年率換算3.9%増)を上回りました。内訳をみると企業の設備投資や輸出が上方修正、在庫や輸入が下方修正されています。

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 内訳をみると個人消費支出は速報値から変化はありませんでした。ただ内訳をみると耐久消費財が前期比3.4%増(年率換算14.3%増)、サービスが同0.2%増(年率換算0.8%増)と小幅上方修正、非耐久消費財が同0.5%増(年率換算1.9%増)と下方修正されています。

 固定資産投資は速報値から上方修正されました。設備投資が前期比2.0%増(年率換算8.4%増)に上方修正されており、設備投資に含まれる構築物投資、設備機器投資、知的財産投資がいずれも上方修正。企業の設備投資は速報値以上に強かった模様です。

 一方で在庫投資は839億ドルと速報値から下方修正されました。推計よりも在庫積み上げは少なかった模様ですが、小幅の修正なことから当面は国内総生産の伸びを押し下げる要因となりやすいです。

 また純輸出は▲4635億ドルと速報値から上方修正されました。輸出が上げ幅を拡大した一方で輸入が下方修正されたためです。

 ざっくりまとめると企業の設備投資が上方修正、在庫投資が下方修正、輸出が上方修正されています。これらの動きは今後の経済成長には明るい材料といえ、速報値で考えた先行き見通しを若干上向きに見てもよいかもしれません。

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30 8月

スペイン第2四半期国内総生産改定値を振り返る

【スペイン第2四半期国内総生産改定値】
 スペイン国立統計局が28日に第2四半期の国内総生産(GDP)改定値を発表。

 第2四半期の国内総生産改定値は前期比0.6%増、前期は同0.4%増。前年同期比は1.2%増。

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 家計消費支出は前期比0.7%増、前期は同0.5%増。

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 政府消費支出は前期比0.1%増、前期は同4.4%増。

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 総固定資本形成は前期比0.5%増、前期は同0.7%減。

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 輸出は前期比1.3%増、前期は同1.0%減。輸入は前期比1.5%増、前期は同0.9%増。

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 詳細はスペイン国立統計局で確認できます。

 第2四半期の国内総生産は前期比0.6%増と前期(0.4%増)から上げ幅を拡大しました。家計消費支出が5四半期連続、総固定資本形成が2四半期ぶりに前期を上回り、国内総生産は4四半期連続で前期を上回っています。

 内需をみると家計消費支出は前期比0.7%増と前期(0.5%増)から上げ幅を拡大となり国内総生産を押し上げています。一方で政府消費支出は同0.1%増と前期(4.4%増)の急増もありほぼ横ばいとなった模様です。

 国内への投資を示す総固定資本形成は前期比0.5%増となっています。内訳をみると建設投資が前期比0.9%増と2011年第3四半期以来のプラス、機器設備投資が前期比2.1%増と6四半期連続で前期を上回っています。

 外需をみると輸入が前期比1.3%増と2四半期ぶりに前期を上回ったものの輸入が前期比1.5%増と輸出の伸びを上回ったため、純輸出は国内総生産を押し下げました。

 第2四半期の国内総生産では内需が個人の消費、企業の設備投資がとも堅調となったため4四半期連続で前期を上回っています。前期が政府消費支出によるところが大きかったことを考えると改善していると判断できます。

 ただ細かくみると住宅投資は依然として低迷しているほか、ウクライナ情勢などによりこれまで経済を牽引してきた輸出の伸びが弱く、今後も経済成長を維持できるかは微妙なところです。
 

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30 8月

オーストラリア第2四半期民間新規設備投資を振り返る

【オーストラリア第2四半期民間新規設備投資】
 オーストラリア統計局が28日に第2四半期の民間新規設備投資を発表。

 第2四半期の民間新規設備投資(実質・季節調整済)は前期比1.1%増の376億4600万豪ドル、前期は2.5%減。

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 資産別にみると建設・構築物投資は前期比2.0%増(前期4.6%減)の252億9300万豪ドル、工場・機器設備投資は同0.9%減(前期2.1%増)の123億5200万豪ドル。

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 産業別にみると鉱業が前期比0.2%増(前期6.4%減)の206億3500万豪ドル、製造業が同6.0%減(前期0.3%増)の20億8600万豪ドル、その他が同3.4%増(前期3.3%増)の149億2500万豪ドル。

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 詳細はオーストラリア統計局で確認できます。

 第2四半期の民間新規設備投資は前期比1.1%増と市場予想(0.3%減)を上回り3期ぶりの増加になりました。大きなウェイトを占める鉱業部門の投資が微増となったほか他部門が2期連続で増加したため、一方で製造部門の投資は減少しています。

 資産別にみると建設・構築物への投資が前期比2.0%増と3期ぶりに増加した一方で工場・機械設備への投資が前期比0.9%減と2期ぶりの減少となっています。

 産業別にみると鉱業が前期比0.2%増と3期ぶりの増加となり減少傾向がひとまず一服しました。製造業は同6.0%減と2期ぶりに減少、投資額の水準をみると2001年第4四半期まで減少しています。

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 一方で鉱業、製造業を除くその他部門は前期比3.4%増と2期連続で増加しています。内容をみると比較的ウェイトが大きい運輸・倉庫業、金融・保険業の設備投資が活発になっています。

 2014-15年度の設備投資の見通しは1451億5800万豪ドルと市場予想(1420億豪ドル)を上回りました。しかし前年の見通しと比較すると10.2%下回っており、資源ブーム収束による設備投資の減少は続いています。

 ただ内容をみると鉱業は前年を21.3%下回っているものの、その他部門は前年を12.2%上回っています。設備投資が徐々に鉱業からその他部門に移行している模様です。設備投資は鉱業を中心に減少が続きそうですがその他部門の設備投資が比較的活発なことから全体ではさほど減少しないかもしれません。


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28 8月

アメリカ8月CB消費者信頼感指数を振り返る

【アメリカ8月CB消費者信頼感指数】
 米大手民間調査機関のコンファレンス・ボード(CB)が26日に8月の消費者信頼感指数を発表。

 8月の消費者信頼感指数は前月比2.1ポイント上昇の92.4(1985年=100)。
 現況指数は前月比6.7ポイント上昇の94.9。
 期待指数は前月比1.0ポイント低下の90.9。

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■現況調査
 業況が良いとの回答は23.9%(前月23.3%)、悪いとの回答は21.5%(前月22.8%)。
 雇用が十分との回答は18.2%(前月15.6%)、困難との回答は30.6%(前月30.9%)。

■期待(6か月先)調査
 業況が良くなるとの回答は20.4%(前月20.4%)、悪くなるとの回答は10.2%(前月12.1%)。
 雇用が改善するとの回答は17.0%(前月18.7%)、悪化するとの回答は15.8%(前月16.6%)。
 収入が増加するとの回答は15.5%(前月17.7%)、減少するとの回答は11.9%(前月11.1%)。

 詳細はコンファレンス・ボードで確認できます。

 8月の消費者信頼感指数は前月から2.1ポイント上昇の92.4と市場予想(89.0)を上回りました。内訳をみると現況指数が6.7ポイント上昇したのに対し期待指数が1.0ポイント低下となり、足元は強まると見ているものの先行きは若干不安になる内容となっています。

 調査内容を確認すると業況は現状では「良い」との回答割合が上昇し「悪い」が低下、先行きでは「良くなる」が横ばい、「悪くなる」が低下となっており、足元も先行きも改善傾向が続いています。

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 雇用は現状では「十分」との回答割合が上昇し「困難」が低下、雇用統計との整合性があり改善傾向が続いています。ただ困難の水準はまだ高く、この状況は当面続きそうです。一方、先行きでは「改善する」との回答割合が低下、ただ「悪化する」も低下しており、推移を見る限り改善傾向を維持していると判断できます。

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 収入をみると「増加する」との回答割合が低下し、「減少する」が上昇、回答割合では「増加する」が「減少する」を上回る状況が続いているものの賃金上昇率が伸び悩んでいることもあり頭打ちの状態になっているようです。

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 信頼感調査から消費者を取り巻く環境は改善が続いていると判断できます。ただ雇用が増加しているものの賃金が伸び悩んでいることを背景に先行きの見通しが消費者の間ではさほど強くなっていない模様で、今後消費は力強さを欠く展開になるかもしれません。


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